★★★★☆
あらすじ
ハイテク兵器を密売する男を追うスパイダーマン。
「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」シリーズ第16作目。MCU版スパイダーマン第1作目。133分。
感想
特殊能力はあるがまだ未熟な青年の冒険譚というか、成長譚となっている。最初は子供らしい無邪気さで戦っているのだが、やがて責任感が芽生え、成熟した態度を身につけていく。悪役(ヴィラン)であるハイテク兵器を密売する男や、憧れであるアイアンマンが、主人公の前に立ちふさがる大人たちだ。ヴィランを乗り越え、アイアンマンに認められる事で成長していく。
マイケル・キートンがヴィランのヴァルチャーを演じているのだが、鳥人間の様な容姿に、どうしても彼が主演した映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を思い出してしまう。この辺は洒落というか、小ネタ的な意味も含まれているのかもしれない。
しかし、このマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中ではもはや常識なのかもしれないが、ほとんど見てない自分にとっては、登場人物たちの徹底したダイバーシティ(多様性)っぷりに驚いてしまった。正直、最初は違和感があったのだが、あまりにも徹底しているので、途中くらいから全然気にならなくなった。一応そういう事気にしてます、というポーズだけの映画とは違うからだろう。言い訳みたいに対応している映画は、逆に悪目立ちしてしまう事が多い。
こういう映画が増えていけば確かに世界は変わっていくだろうな、と実感させられた。実際、アメリカではこんな風に人種が多様化している学校の方が多いだろうから、それを映画に反映させただけと言えるかもしれないが、アファーマティブ・アクション(肯定的措置)というのは必要だなと、その実例を見せられた気分だ。今はなぜかマジョリティが被害者面で声高に叫ぶ時代ではあるが。
最初は主人公がハイテク装備を身につけておきながら、クライマックスでは貧相な衣装と装備で戦わせる演出が上手い。十分な準備は大事だが、まずは本人がそれにふさわしい人間であることを証明しなければならない、と言っているかのようだった。
MCUシリーズを最初からちゃんと見ている人も、そうでない人もちゃんと楽しめるように作られた、こなれ感のあるエンターテイメント作品だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ジョン・ワッツ
脚本/原案 ジョナサン・ゴールドスタイン/ジョン・フランシス・デイリー
原作 Amazing Spider-Man Masterworks Vol. 1 (Marvel Masterworks) (English Edition)
製作総指揮/出演 スタン・リー
出演 トム・ホランド/マイケル・キートン/ジョン・ファヴロー/ジェイコブ・バタロン/ローラ・ハリアー/ゼンデイヤ/ドナルド・グローヴァー/タイン・デイリー/トニー・レヴォロリ/アンガーリー・ライス/ マーティン・スター/ケネス・チョイ/(声)ジェニファー・コネリー/マリサ・トメイ/ロバート・ダウニー・Jr/ボキーム・ウッドバイン/ローガン・マーシャル=グリーン/クリス・エヴァンス
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