★★★★☆
あらすじ
湾岸戦争の終結直後、米軍兵士が投降したイラク兵から謎の地図を入手する。114分。
感想
勝利の高揚感の中、アメリカ万歳的な陽気な雰囲気で始まり、そのままちょっとしたアドベンチャー感覚の金塊探しがスタートする。しかし、次第に能天気さは影を潜め、シリアスな気分に支配され始める。
戦争の目的はクウェートからイラクを追い出すことだから、たしかにそれ以上のことをすると干渉になってしまう。しかし、現実を見てしまって、それでも関係ないからと見過ごすことはなかなか難しい。だからそれを伝えるマスコミが重要なのだろう。そんなマスコミも、鮮度もインパクトもない情報には見向きもしないわけだが。
結局アメリカ人は原油にしか興味が無いんでしょ?とか、アメリカ映画でそんなに耳の痛いことばかり言ってて大丈夫なのかと心配になるくらい、皮肉が散りばめられている。
紆余曲折あって最後はめでたしめでたしで終わるのだが、色んな人達の思惑が交錯しているだけに爽快感はなく、結局こうやって世界は回っているのだな、と無常感につつまれる。
とはいえ、こういった話をダークになり過ぎず、コメディを混じえつつ描けるのはすごい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 デヴィッド・O・ラッセル
原案 ジョン・リドリー
出演
マーク・ウォールバーグ/アイス・キューブ/スパイク・ジョーンズ/クリフ・カーティス/ジェイミー・ケネディ/サイード・タグマウイ/ノーラ・ダン/ミケルティ・ウィリアムソン/ジュディ・グリア