★★★★★
あらすじ
会社の乗っ取りを企てる重役のもとに、息子を誘拐したとの電話がかかってくる。
感想
最初の犯人からの電話に、一瞬で取り乱してしまう飲み込みの早さには違和感があったが、その後は息もつかせぬ展開。
この映画は大きく分けて、誘拐事件、その後の捜査、犯人の発見から逮捕の3つのパートからなり、そのどれもが素晴らしいが、特に犯人の発見から逮捕までのシーンが好きだ。
横浜黄金町、猥雑な無国籍感のある映像。妖しい雰囲気にドキドキする。そして、犯人逮捕時のどこか陽気な音楽。まるでウォン・カーウァイの映画の世界のよう。順番で言うとこちらが先なので、逆だが。
ラストの会社重役が犯人と対峙するシーン。三船敏郎の「世界のミフネ」感がすごい。この存在感、他の役者じゃ出せない。
犯人は医者の卵で、そのうち金持ちになれたのでは?という気もするが、そんな事は些細なことに思えるくらい魅力的な時間だった。
この映画公開後に誘拐事件が多発したらしく、昭和どんだけワイルドだよ、と思ったが、考えてみれば今でも模倣犯の類はいる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/編集
脚本 菊島隆三/久板栄二郎/小国英雄
原作 キングの身代金 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-11)
出演
bookcites.hatenadiary.com仲代達矢/香川京子/三橋達也/加藤武/山崎努/中村伸郎/志村喬/名古屋章/千秋実/三井弘次/西村晃/東野英治郎/藤原釜足/菅井きん