★★★★☆
あらすじ
LAの犯罪多発地域を担当する警官コンビの日常をドキュメンタリータッチで描く。
感想
「密着!警視庁24時!」的な雰囲気の映像。なぜか警察も犯罪者も皆がカメラを持っていて、それぞれの行動を自ら撮影している。リアルな感じはあるが、若干慌ただしく落ち着かない印象も受ける。
二人一組でコンビを組んで仕事をする警察官。冗談を言い合ったり、ふざけたりしながらも忠実に職務を遂行する。ただただ真面目に仕事をされてしまうと親近感など持てないが、こんな風に仕事をしていることが分かれば、彼らも同じ人間なんだと安心する。でも少し間違えれば簡単に悪徳警官になってしまいそうな際どさも漂っていて、それならば常に品行方正な態度を取るべきなのか?とも思わなくはない。
しかし見ていて思うのは、どう考えても銃社会は間違ってる、という事だ。舞台が犯罪多発地域ということもあるが、アフリカの何処かの国を「リアル北斗の拳の世界」とか笑えないレベル。ギャング同士の対立も銃のせいでたくさんの死者が出るし、彼らを取り締まる警察官も、相手が銃を持っているせいでどちらかが死ぬ確率も高くなる。ギャングが警察官を襲おうと思ってしまうのも銃を持っているからこそだ。
これほど警察官が日々生死にさらされている国はそうそうないのではないだろうか。たまに無防備な人間を警官が射殺して問題となっているニュースを聞くが、日々そんなストレスの中にさらされていたら、過ちも起きてしまうのかも知れない。
次第に厳しくなる状況のなかでも、主人公たちが私生活でつかの間の休息を得られていることに安心する。新婚の主人公が妻と旅行に出かけ、車の中で二人でCam'Ronの「Hey ma」を掛け合いで唄うシーンは微笑ましい。
ラストに観客を騙すようなちょっとしたサプライズがあるが、だからといって手放しでは喜べないような状況。複雑な思いが残る。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 デヴィッド・エアー
製作総指揮/出演 ジェイク・ジレンホール
出演 マイケル・ペーニャ/アナ・ケンドリック/デヴィッド・ハーバー/フランク・グリロ/アメリカ・フェレーラ/コディ・ホーン