★★★☆☆
あらすじ
娘を誘拐され、ブラック・ダイヤモンドを引き渡すよう脅された男は、同じ目的を持つ台湾の諜報員と組んで、横取りされたダイヤモンドの奪還を目指す。
アンジェイ・バートコウィアク監督によるヒップ・ホップ・カンフー三部作の第3作目。 原題は「Cradle 2 the Grave」。
感想
宝石泥棒と台湾の秘密警察の男が手を組んで、奪われたブラック・ダイヤモンドを取り戻そうとする物語だ。ジェット・リーが秘密警察の男を演じているのだが、戦う時になぜか片手をポケットに入れたままだったのが気になった。片手でも余裕で勝てるくらい強いという表現なのかもしれないが、不自然だ。撮影時にジェット・リーが片手を使えないほど負傷していたのか?と疑ってしまう。
主人公がリーダーを務める犯罪集団が行ったブラック・ダイヤモンド強盗を、秘密警察官が邪魔したことから物語は始まる。ダイヤモンドの窃盗には成功するも地元のギャングに横取りされてしまい、主人公は娘を誘拐されて元の依頼主に脅される。そこで同じくダイヤモンドを追っていた秘密警察官と手を組んだ、という構図だ。
つまり第三者の地元ギャングが登場したことにより話がややこしくなってしまったわけだが、それによって三者三様の思惑が入り乱れて話に深みが出たかというとそうでもないのが残念だ。この地元ギャングは事件の大きな背景は何も知らず、空気を読まずにただ邪魔しただけ、みたいな印象になってしまっている。それでも大きな壁となって立ちはだかるなら見応えもあっただろうが、普通に弱い。簡単にやられてしまうし、何か目的を持っているわけでもないので、よく分からないならいっちょかみしてくるなよ、と言いたくなる。
ジェット・リーやDMXが見せるアクションはすごいし、コミカルだったりセクシーだったりと、各シーンを単体で見ると悪くない。だが全体を通して見ると、地下鉄で落とした宝石はどうなったのか?とか、なぜ元の依頼主は目的のダイヤモンドを手に入れた後も誘拐した主人公の娘を開放しなかったのか?とか、ストーリーに引っ掛かる部分が多すぎてモヤモヤとしてしまう。
とはいえ、そういう細かいことを気にせず気楽に見るなら、悪くない娯楽作ではある。音楽も良い。
スタッフ/キャスト
監督 アンジェイ・バートコウィアク
出演 ジェット・リー/DMX/ガブリエル・ユニオン/マーク・ダカスコス/ケリー・ヒュー/アンソニー・アンダーソン/トム・アーノルド/シャイ・マクブライド
音楽 デイモン・グリース・ブラックマン/ジョン・フリッゼル
撮影 ダリン・オカダ
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