★★★☆☆
あらすじ
総会屋への不正融資疑惑に対して危機感を募らせる中堅社員と、反応の鈍い上層部。
感想
事態を理解できずにその場しのぎの対応をして右往左往する幹部たち、責任を他人に押し付けてなんとか居座ろうとする重鎮、自らのメンツのためならあらゆる手段も辞さない検察、民間と癒着し便宜を図ろうとする官僚や政治家。そんな中で危機を乗り越えようと死に物狂いになっているのは、何の地位も責任もない中堅社員だけ。まるで日本の駄目な部分の縮図を見ているようで気分が悪くなる。この映画から20年ほど経っているが今でも普通に目にする光景だ。
しかし責任を負うはずの首脳陣がまともな対応ができないという日本の構造的な問題は何とかならないものか。平時は偉そうにふんぞり返って、いざ非常事態が起きるとオロオロするばかりでは何の意味もない。できることといえば部下になんとかしろと怒鳴るくらい、というのが情けない。そしてこんな時にいつも頑張るのは有志の社員。熱い映画に仕上がってはいるが、正直この全然組織じゃない感のせいで逆に腹が立ってくる。
物語の細かいディテールまでは理解できなかったが、金融の一大スキャンダルにざわついている感じがよくでている映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 原田眞人
脚本/出演 高杉良
出演
仲代達矢/椎名桔平/風吹ジュン/若村麻由美/佐藤慶/根津甚八/矢島健一/中村育二/石橋蓮司/遠藤憲一/本田博太郎/多岐川裕美/梅野泰靖/木下ほうか/田口トモロヲ/村上淳/本宮泰風/佐高信/原田遊人/三浦春馬
音楽 川崎真弘