★★★★☆
あらすじ
無期停学組の不良たちに狙われたトオルとヒロシの二人組。シリーズ第三作目。
感想
これまでヒロイン役を演じていた中山美穂が今作では降板している。序盤は彼女の存在だけを匂わしつつ実際には登場させない、「ゴッド―ファーザー2」のマーロン・ブランド方式をとるのかと思いきや、あっさりと次のシーンで彼女の顔が映し出されて拍子抜けしてしまった。
おそらく前作までのシーンとカットシーンの使い回しだと思うが、こういう使い方ならOKという契約だったのか、それとも勝手に流用したのか、観客的にはどうでもいいことだが、気になってしまった。当時、こういうのはいい加減だったぽいがどうだったのだろう。
前半はちょっとした面白エピソードをいくつかやって、後半はシリアスな抗争を描くのがこのシリーズのパターンで、今回もそれを踏襲している。この序盤のエピソードは、これまでそんなに面白くなかったり、話の関連性のない単発のものを並べただけだったりしたのだが、今回はちゃんと面白く、話のまとまりがあった。後半へのシリアスな展開へのつながりも自然で、いつもより作りがしっかりとしている。
クライマックスは鉄工所での対決シーン。炎が舞い火花が散る様子はまるで「ターミネーター」のようだった。主人公の二人は最初劣勢で、途中で盛り返し反撃するのだが、反撃のきっかけとなるようなことは特に何も起きず、なんとなく雰囲気だけで形勢が逆転するのはちょっと面白かった。それでも反撃開始時はヒーローらしいカッコ良い演出が施されており、とても映画的で悪くない。
今回はアクションが少なめだが、それでも迫る電車を避けるためにギリギリで川に飛び込んだり、廃車のプレス機で潰されそうになったりと、相変わらず冷や冷やするシーンがいくつかあり見応えがあった。これも映画の醍醐味だ。
腑に落ちないシーンがあまりない、良く出来たプロットで、ストレスなく楽しめた。
スタッフ/キャスト
監督 那須博之
脚本 那須真知子
出演 仲村トオル/清水宏次朗/宮崎萬純/小沢仁志/石井博泰/土岐光明/小沢なつき/地井武男/花沢徳衛/BEE PUBLIC
音楽 埜邑紀見男/都志見隆
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