★★★☆☆
あらすじ
幕末に藩命により密かにイギリスに渡った長州五傑(井上馨・遠藤謹助・山尾庸三・伊藤博文・井上勝)の現地での様子を描く。119分。
感想
長州ファイブといいながら割と早い段階で長州スリーとなり、ツーとなり、あっという間にワンになってしまった。五人をすべて丁寧に描くのは時間的に厳しいから仕方がないが、全員をそれなりに描こうとしたせいで皆が中途半端になってしまった。最初から一人に絞って丁寧に描けばよかったのにとも思わなくもないが、皆偉人なのでそれはそれで文句が出そうだ。
最終的には松田龍平演じる山尾庸三を描いていくことになるのだが、5人のうち3人は、途中で日本に帰国している。一人は病気、後の二人は長州藩の行く末を案じてであるが、藩のために帰った二人が井上馨、伊藤博文というのがなかなか興味深い。
のちに二人は政治家となるわけだが、やはり政治家というものは機を見て動ける人間じゃないと務まらないのかもしれない。そして世情に流されず初志貫徹のために残った二人は、技術者や教育者タイプだったということか。
それなりには面白かったのだが、異国の地へ来て戸惑いながらも馴染んでいく姿だとか、地元の人々との心の交流をする姿だとか、もうちょっとちゃんと描いて欲しかった。必死に学んでいることぐらいしか伝わってこず、主人公にあまり人間味を感じられなかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 五十嵐匠
出演 松田龍平/山下徹大/北村有起哉/三浦アキフミ/前田倫良/寺島進/原田大二郎/泉谷しげる/榎木孝明/矢島健一/康すおん
登場する人物
山尾庸三/井上勝(野村弥吉)/井上馨/伊藤博文(伊藤俊輔)/遠藤謹助/高杉晋作/久坂玄瑞/村田蔵六(大村益次郎)/佐久間象山/毛利敬親/寺島忠三郎/新納久脩/町田久成/周布政之助/エイベル・ガウワー