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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「闘争領域の拡大」 1994

闘争領域の拡大 (河出文庫)

★★★☆☆

 

 自社のソフトウェアの研修を行うために、フランス各地に同僚の男とともに出張することになった男。

 

 ストーリーがあるのかないのか分からないような日常が積み重ねられていく。そしてそこでは主人公の観察と考察が目まぐるしく行われている。ただし、常にどこか諦観が漂っており、沈み込んでいる気分が見て取れる。登場人物たちとの人間関係もどこか希薄で、それを深める欲求も感じられず、ただ為すがままに任せている。

 

日々にこれといった事件が起こらなければ、ついには気候の変化が人生において大きな位置を占めるようになる。僕にはそれが当然のことに思える。そもそも俗に言われるとおり、年寄りにいたっては、もうそれしか話さない。

p61

 

 人生に希望を持って取り組める時期があり、これといった成果を得られないままいつの間にかその時期を過ぎてしまっていたということに気づき、この先の未来に対して希望を持てず無気力になってしまっている。心の中に悔いや焦りがあればまだ足掻くことで何かが生まれるのかもしれないが、諦めの気持ちが心を支配し、ただ自然に身を任せて生きるだけになってしまった。

 

 物語はよく分からなかったというのが正直な所だが、こんな感じの事をぼんやりと思った。 

 

著者 ミシェル・ウエルベック

 

 

登場する作品

パンセ(上) (岩波文庫)

The Famouse Five Five on a Treasure Island.. Five go Adventuring Again Two Books in One.

嵐が丘(上) (光文社古典新訳文庫)

C'mon Everybody

Le sud

セクサス―薔薇色の十字架刑〈1〉 (ヘンリー・ミラー・コレクション)

大念処経 (初期仏教経典解説シリーズ)

 

 

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