★★★★☆
あらすじ
日曜の夜は、適齢期の三人の娘たちのために料理を作り、ともに食卓を囲む事を恒例としている料理人の父親。アン・リー監督の父親三部作、第3作目。
感想
オープニングで父親が娘たちのために料理をするシーンには引き込まれ、惚れ惚れとしてしまう。父親の小気味のいい手際の良さや、次々と美しい料理に姿を変えていく食材たちを見ていると、とても心地よい気分になる。このオープニングだけでなく、その後も何度か料理シーンは登場して、見ているだけで幸福な気持ちにさせられる映画である。
そして何度も登場する料理シーンに比べて、楽しそうな食事シーンが殆どないことが、この家族の状況をよく表しているのかもしれない。豪勢な食事を目の前にしながらも、皆の心はどこかバラバラで会話は弾まず食事も進まない。
娘たちそれぞれの恋愛模様と父親との関係が、次女を中心に描かれていく。次女は真っ先に家を出ようと決心していたのに、他の二人の姉妹が先にあっさりと出ていってしまったというのは皮肉だが、意外とよくあることだ。皆のことをよく考え計画を練るよりも、何も考えずに勢いだけでやってしまったほうがうまくいくことは多い。
最後は取り残された父親がしみじみするのかと思ったら、サプライズが待っていた。驚かせながらも笑わせる演出がニクい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/編集 アン・リー
出演 ラン・シャン/ヤン・クイメイ/ウー・チェンリン/シルヴィア・チャン/ウィンストン・チャオ/ルー・チンチョン
関連する作品
アン・リー監督 父親三部作 第1作
アン・リー監督 父親三部作 第2作