★★★☆☆
あらすじ
マフィアのスパイであることを止め、真っ当に生きることにした警察官は、警察に潜入しているスパイを一掃しようとする。
アンディ・ラウ、トニー・レオン、レオン・ライら出演。シリーズ第3作の完結編。香港映画。118分。
感想
殉職半年前の潜入捜査官の姿を挟みつつ、マフィアのスパイだった警察官のその後が描かれていく。
マフィアのスパイだった主人公は、警官として真っ当に生きようとしている。だからあとは真面目に仕事に集中すればいいだけだと思ったが、よく考えるとまだ彼がスパイだったとバレる恐れは十分にある。彼が他のスパイを見つけ出そうとしたのは、単なる正義感ではなく、保身のためでもあった。
しかし、いつ自分の正体がバレるのかと怯えながら日々を暮らすのは、精神的にきつそうだ。証拠となりそうなものは消して、見つかる前に見つけようと必死になる主人公の切羽詰まった様子は、見ているだけでしんどいものがあった。
そしてそれが主人公の心を蝕んでいく。殉職した潜入捜査官の過去を調べているうちに、願望や羨望がないまぜとなり、自分が誰なのか分からなくなってしまう。まさかサイコ・サスペンス風になっていくとは、意外な展開だった。
一方のトニー・レオン演じる殉職警官のパートは、ほぼケリー・チャン演じる美人精神科医と診察室でイチャイチャしているのを見せつけられるだけだと言ってもいい。この精神科医の医者としての倫理観は大丈夫なの?と思ってしまうが、他の潜入者と辛さを分かち合うシーンと合わせて、彼にも幸せな時間があったのだなとホッとさせられる。
今回は、アンディ・ラウ演じる主人公と、レオン・ライ演じるマフィアのスパイかもしれない警官の対決がメインだ。だが警官側の描写が少なく、キャラも弱いので、物足りなさがあった。クライマックスであっさりとやられてしまうのも呆気ない。
ついに正体がバレて覚悟を決めた主人公を、それでも生き続けさせるラストは、とても残酷だ。彼の無間地獄はこれからも続く。これを描きたかったので、対決は控えめだったのかもしれない。だがそれはそれで、もっとバチバチとやって欲しかった感もある
スタッフ/キャスト
監督/製作/撮影 アンドリュー・ラウ
監督/脚本 アラン・マック
脚本 フェリックス・チョン
出演 アンディ・ラウ/レオン・ライ/ケリー・チャン/アンソニー・ウォン/エリック・ツァン/チェン・ダオミン/チャップマン・トウ/サミー・チェン/ショーン・ユー/エディソン・チャン/カリーナ・ラウ/ラム・カートン/レイ・チーホン/ザック・カオ
インファナル・アフェアIII 終極無間 - Wikipedia
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