★★★★☆
あらすじ
全く正反対の高校時代を過ごした二人が警官になり、薬物が蔓延する高校で潜入捜査をすることなるコメディ映画。
ジョニー・デップの出世作として知られる同名のテレビドラマを原作としている。
感想
高校時代、勉強は出来るがオタクでモテなかった男と、スポーツ万能でモテたが頭の悪かった男がコンビを組み、潜入捜査をする物語だ。学生時代は交流を持つことのなかった二人が、警察学校で互いの弱点を補うために協力し合って友情を深めるなんて、なんて美しい話なのだと感動するが、それでやっていることがコメディなのだから面白い。
しかも軽いコメディではなく、かなりしっかりとしたギャグ映画だ。この手のハリウッド映画は、ただひたすら下品・お下劣のえげつない方向に走ってしまいがちで、まったく笑えないことが多いのだが、この映画はそれなりの高い打率を叩き出している。
ただし、冒頭のエミネムのパロディに代表されるように、元ネタを知っている必要があるものが多いので、分からない人には全く笑えないかもしれない。自分もきっとたくさんのジョークに気付かないまま見逃してしまっている。
それから主人公らの高校時代とは違う今どきの高校生の、地球にも他人にも優しい姿や、昨今何かと話題になりがちなポリティカル・コレクトネスをちゃんと笑いに変えているのには感心した。
映画は、パーティーやプロム(ダンスパーティ)など、アメリカの青春ハイスクールドラマの定番のトピックをネタにしながら進行する。ここで、本来は学生時代のキャラそのままの姿で潜入するはずだった二人が、自分たちの偽名を忘れていたために、互いの役割が入れ替わってしまう展開は上手い演出だった。二人が互いの学生時代の気分を味わうことになる。
相容れないキャラの二人が潜入捜査を通じて相互理解を深め、良いところは取り入れて共に成長する物語だ。シリアスに描いたら、もしかしたらそれなりの感動作に仕上がってしまうのでは?と思ってしまうが、そんなしっかりしたストーリーでギャグをやるからこそ、コメディ映画として光るのだろう。
主演二人のバカっぽさも程よく、最後に大物が登場するサプライズも良くて楽しめた。人を選ぶかもしれないがハマる人にハマる映画だろう。
スタッフ/キャスト
監督 フィル・ロード/クリストファー・ミラー
脚本/原案 マイケル・バコール
原案/製作総指揮/出演 ジョナ・ヒル
原作 21 ジャンプストリート シーズン1 DVD-BOX (初回限定生産)
製作総指揮/出演 チャニング・テイタム
出演 ブリー・ラーソン/デイヴ・フランコ/アイス・キューブ/ロブ・リグル/エリー・ケンパー/ジェイク・ジョンソン/ニック・オファーマン/*ピーター・デルイーズ
*
*クレジットなし
音楽 マーク・マザーズボー
関連する作品
続編