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「不能犯」 2018

不能犯

★★☆☆☆

 

あらすじ

 無料で依頼を受け、マインドコントロールで人を殺す男と、それを証明できず逮捕できない警察。

 

感想

 依頼を受けマインドコントロールで人を殺すという設定はいいとして、この男は何をして生計を立てているのかとか、殺人は何が目的かとか、なんで廃墟みたいなところに住んでいるのかとか、いろいろと聞いてみたいことが多すぎる。つまりはリアリティがないという事なのだが、雰囲気だけで誤魔化そうとしすぎ。もしくは笑って誤魔化そうとしすぎ。

 

 この不能犯が超常的な存在ではないのなら、しがないバイトをしているとか、有料で仕事を引き受けている方がまだリアリティがある。黒い服を着て何故かうろうろしているだけだと、ミステリアスというよりもただのイタい人にしか見えない。

 

 

 しかし依頼通りに律義に殺していく不能犯の生真面目さにも呆れるが、安易に殺しを依頼する人々にも呆れる。無料だからなのか。でもいざとなると簡単に人殺しを頼めないのが人間だし、自殺したいほどの過ちを犯してしまってもなかなか自殺できないのが人間で、描写が浅い。「笑うせぇるすまん」的な人間の愚かさを描こうとしているのかもしれないが。

 

 そもそも不能犯の目的が良く分からない。挑発する犯人とそれを逮捕しようとする刑事との戦いが描かれるのかと思っていたら終盤にいきなり別件が起きて、それを解決したら終了で、途中で話が変わってしまった。結局、刑事は犯人の思うつぼで何もできなかったし、犯人は刺されて少し凹んでいるしで、何なの?と呆れてしまった。

 

 終盤は手錠をつないだ配管が簡単に外れたり、舌で電話を掛けたり、後輩にわざとらしく敬礼をして見せたりと、意図はしていないだろうコミカルシーンが満載。さらに登場人物たちの軽過ぎる言動などを利用すれば、ちょっと改変するだけで楽しく笑える良いコメディ映画になってしまいそうだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 白石晃士


脚本 山岡潤平

 

原作 不能犯 1 (ヤングジャンプコミックス)


出演 松坂桃李/沢尻エリカ/新田真剣佑/間宮祥太朗/テット・ワダ/菅谷哲也/岡崎紗絵/真野恵里菜/忍成修吾/水上剣星/水上京香/今野浩喜/堀田茜/芦名星/矢田亜希子/安田顕/小林稔侍

 

不能犯

不能犯

 

不能犯 (漫画) - Wikipedia

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