★☆☆☆☆
あらすじ
軍用の巨大ヘリコプターがテロリストに奪われ、日本の原発を全て破壊するよう要求される。
江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵ら出演。堤幸彦監督、東野圭吾原作。138分。
感想
冒頭のしっくりこない白々しいセリフ回しからヘリコプターが盗まれるあたりまでで、既に嫌な予感が漂っていた。ヘリコプターが突然飛び立ったのに、さも知っていたかのように全然驚いていない。犯人からの要求が届いても騒然とするわけでもなく、さも知っていたかのように粛々と対応準備を整えている。国も世間も事件に対する反応がのんびりとしている。
その割には突然、場を盛り上げる情感たっぷりの音楽が流れ、無駄に体温の高い演技が始まる。全然そうなる過程が描かれていないので戸惑わされる。もしかしたら見ている途中で自分が知らず気絶してしまっているのかも、と不安になってしまった。やりたいシーンだというのは分かるが、そこに至る過程をもっと丁寧に描いてほしかった。そんなシーンの連続でついていけなくなる。
全体的にみんなの演技が下手くそに思えて萎えたのだが、もしかしたら前後の脈絡がない、ピントが外れたようなセリフのせいなのかもしれない。話の流れもなしに唐突に何か言われても、違和感しか感じない。
きれい事だけでは語れない原発について、踏み込んだ表現をしているのは分かるが、犯人に語らせすぎている印象だ。どうして観客を説得して共感を得ようとしているの?と思ってしまった。力みすぎだ。
いろいろとやりたいことを詰め込みすぎて、それぞれを描き切ることが出来なかった。中途半端にとっ散らかり、しかも長くなって、観客の負の感情を増幅させる最悪のパターンになっている。
唯一面白かったのが、ニュースで解説していた軍事評論家の髪型だ。だがそんな細かい笑いは後でいいから、まずは本編をちゃんとやれよと、結局文句を言いたくなるのだが。
スタッフ/キャスト
監督 堤幸彦
脚本 楠野一郎
原作 天空の蜂 (講談社文庫)
出演 江口洋介/本木雅弘/仲間由紀恵/綾野剛/向井理/竹中直人/石橋蓮司/ 光石研/ 佐藤二朗/手塚とおる/藤井尚之/岡田浩暉/やべきょうすけ/野添義弘/小倉淳/多田木亮佑
音楽 リチャード・プリン
