★★☆☆☆
あらすじ
前漢の時代、中国西域の警備をしていた隊長は、ローマ軍に追われた軍団を受け入れ、共に戦おうとする。
感想
シルクロードの真ん中、さまざまな部族が争う地で、平和のために力を尽くす男の物語。美しい理念のもと、壮大なストーリーが展開されるのだが、正攻法で描き過ぎて嘘っぽく感じてしまうというか、面白みがない。 この内容だったらジャッキー・チェンが主人公を演じる必要はないなと思ってしまった。
ジャッキー・チェン主演作に期待するのは楽しくてカッコいいアクション映画。しかしこの映画の彼は、ずっと凛々しくカッコいいだけ。面白くはないので物足りなさが残ってしまう。そう考えると、コミカルな役もシリアスな役も違和感なくやってのけるトム・ハンクスはすごいのだなと改めて思った。まぁでもジャッキーの場合は、映画自体の面白さではなく、彼自身の凄さでスターになった人なので比べるものでもないのだが。
侵攻するローマ軍に対して、争ってばかりいた部族たちが一致団結して戦おうとするメインのストーリーには胸が熱くなるシーンがあったりもした。しかし、主人公の奥さんの話とか、ローマの執政官の跡目争いに巻き込まれた幼い子供の悲劇とか、主人公に恋心を抱いてしまった女部族長とかの、その他の物語の描き方はかなり雑なので、もっともらしい表面的な雰囲気だけを描いた映画にどうしても見えてしまう。
とはいえ、ジョン・キューザックやエイドリアン・ブロディといったハリウッドの役者をよび、ストーリーは壮大で、映像も迫力があって大作感あふれる作品なのに、それでも上映時間を2時間以内に収めてくるのは好感が持てる。もっと駄目な映画だったら、だらだらと3時間くらいやってしまいそうだ。このあたりは高尚な歴史ロマン大作などではなく、あくまでエンタメ作品として作っているという事なのだろう。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/美術 ダニエル・リー
製作総指揮/製作/出演
出演 ジョン・キューザック/エイドリアン・ブロディ/チェ・シウォン/ウィリアム・フォン/シャーニー・ヴィンソン