★★★☆☆
内容
ハウトゥー本のような、物事を「どのように」やるか?ではなく、「いつ」やるか?に焦点を絞り、それを科学的な根拠をもとに紹介した本。
感想
確かに世の中にHow To本は溢れているが、When To本はない。朝起きて、昼働き、夜は寝るという一日のスケジュールは何となく決まっているので、やるべき事ややりたい事はそのスケジュールの中で時間を見つけてやればいいという感じになっている。
ただ、どのように勉強したかではなく、午前・午後どちらにおこなったかだけで試験の成績が変わってくると言われたら、気にした方がいいような気がしてくる。世の中にはそういった時間帯により生じる差異がたくさんあることが紹介されていて、なかなか興味深い。医療ミスが起きやすい時間帯があるという話もあり、絶対その時間に手術を受けないようにしようとメモを取ってしまったりもした。
同じ人間でも一日の間で能力が大きく変化するというのは、考えてみれば当たり前で、朝起きたばかりはフレッシュな気持ちで事にのぞめるし、昼を過ぎると次第に疲れがたまってきて集中力は落ちてくる。その標準的なリズムを理解して、最良な行動をとるようにすればよいという事だ。
それでも話がややこしいのは、人間は皆同じではなく人それぞれ違うという事だ。皆が朝が強い朝型であれば話は簡単なのだが、世の中には夜型の人間もいて標準の人とは最良の行動パターンが違う。しかし世の中は標準タイプに合わせて設計されているので、夜型人間は苦労を強いられる場面も多い。右利きの人に合わせて設計された社会で苦労する左利きの人のようなものだと、著者は上手く例えている。
しかし、左利きとは違って夜型の人間だということを明確に証明するのは難しく、標準的な人からは朝は眠そうにしている「怠惰な人」などとレッテルを貼られてしまう危険性もあるので、左利きよりもつらい人生を歩む可能性もある。ただ皆が何かしらマイノリティーに属するものを持っていると自覚できたら、優しい社会になるのかもしれないなと思ったりもするが。
一日をどのように過ごすかや、いつスタートして終わらせるか、中間地点ではどうするかという事に関する話は参考にしようと思えることがたくさんあり、ためになった。ただ最後の人々とどのように協調するべきか?という話は、分からなくはないがちょっとテーマとはズレる内容のような気がした。ハウトゥー本ぽくもある。
本の最後に監訳者である勝間和代のあとがきが載っているのだが、これがほぼ完ぺきな本文の要約。こちらを読めば十分のような気もしてしまったのだが、大丈夫なのだろうか。このあとがきを読んでみて興味を持ちもっと詳しく知りたいと思ったら、本文を読んでみるという流れが良いのかもしれない。
著者
ダニエル・ピンク
監訳 勝間和代
登場する作品
から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)
サーファー・ガール (2001 Digital Remaster; U.S. Version)
アイ・ゲット・アラウンド (2001 Digital Remaster;U.S. Version)
サーフィン・U.S.A. (2001 Digital Remaster)
Baby, What a Big Surprise (2007 Remaster)(朝もやの二人)
Hamilton (Original Broadway Cast Recording) [Explicit]
This land is your land: This Land Is Your Land