★★★☆☆
あらすじ
刑事ディック・トレイシーは、ギャングのボスを追い込む中で、ひとりのミステリアスな美人歌手に出会う。
感想
人気アメコミの映画版という事で、実写とコミックを合成したような映像になっており、登場人物たちも特殊メイクが施されて劇画タッチの姿かたちをしている。別にそんなことをしなくても物語は成立するとは思うのだが、独特の世界観が出来上がっていてそれだけで魅力的だった。これはどうやって撮っているのだと思うようなシーンもたくさんある。
原作を読んでいた人は、あのキャラをこう実写化してきたか、というような楽しみ方も出来るはずだ。個人的には、何を言っているか分からないダスティン・ホフマン演じるキャラ(マンブルス)が面白かった。
そんな独特の世界観、個性的なキャラたちの中で、主人公の刑事・ディック・トレイシーは、特殊メイクをするわけでもなくいたってノーマルで、演じるウォーレン・ベイティそのままで登場している。なんだか地味だ。変な奴らだらけの中でひとり普通、ということで逆に主役として際立たせようとしたのかもしれないが、残念ながら周囲に負けてしまっておとなしい印象になってしまっている。アル・パチーノら他の役者陣が特殊メイクで楽しそうに演じているのとは対照的だった。
そして肝心のストーリーは凡庸で、特に面白くはないというのはつらかった。おそらく原作を知っている人は、各登場人物たちの背景なども知っていて色々と補完できるのだろうが、全然知らないと深みのないキャラたちの薄っぺらいストーリーにしか思えない。
そんな中で唯一、顔なしのキャラは実は別人が扮装していた、というくだりはしてやられた感があった。この世界観では、顔のないキャラクターも成立するのだろうと思い込んでしまっていた。でもよく考えると、このキャラの正体は誰だ?と推理する楽しみを奪ってしまっているわけで、これもまた失敗なのかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督/製作/出演 ウォーレン・ベイティ
原作 Dick Tracy: The Collins Casefiles (Dick Tracy: The Collins Casefiles (Graphic Novels))
製作総指揮 バリー・M・オズボーン/アート・リンソン/フロイド・マトラックス
出演 マドンナ/グレン・ヘドリー/チャーリー・コースモ/ウィリアム・フォーサイス/エド・オロス/ヘンリー・シルヴァ/シーモア・カッセル/チャールズ・ダーニング/キャシー・ベイツ/ディック・ヴァン・ダイク/ ジェームズ・トールカン/マンディ・パティンキン/R・G・アームストロング/ポール・ソルヴィノ/ジェームズ・カーン/キャサリン・オハラ
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音楽 ダニー・エルフマン
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