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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「 ビリケン」 1996

ビリケン

★★★☆☆

 

あらすじ

 五輪誘致の候補地となり解体を危惧されていた大阪・新世界の通天閣で、封印されていた幸運の神様、ビリケンが見つかる。100分。

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感想

 実際に大阪・通天閣で祀られている「ビリケン」をモチーフにしたファンタジーだ。実際のビリケン像が動くのではなく、また別に人間のようなビリケンがいる設定なのが面白い。ビリケン像にお願いする人びとの横で、杉本哲太演じるビリケンがその願いを聞いてメモを取り、あとで望みを叶えようとする。

ビリケン像 小

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 なんだか不思議なシステムで、ビリケンが外出中の願いごとはどうなるのだ?と思ったりもするのだが、そのユルさも含めて全体的にユーモラスな仕上がりとなっている。ビリケンのキャラクターも、想像するようなガツガツした関西人ではなく、上品でおっとりとした雰囲気をまとっている。

 

 人々の願いも大穴馬券を当てたいだとか、息子がグレないようにだとか他愛のないものばかりで、庶民らしさがある。そんな願いを地道な方法でけなげに叶えていくビリケンの姿は微笑ましかった。下町の人情喜劇といった趣だ。五輪誘致をめぐる陰謀もドロドロとした展開とはならず、最後もドタバタ劇で締めくくられる。

 

 

 悪くはないのだが非常に薄味の上品な味付けで、何かが足りないような消化不良感がある。まったりとした脱力感だけでなく、物語をピリリと引き締めるようなパンチのあるもうひと味が欲しかった。強く心を捉えるものがなく、ヌルっと終わってしまう。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 阪本順治

 

脚本 豊田利晃

 

出演 杉本哲太/鴈龍太郎/山口智子/岸部一徳/泉谷しげる/南方英二/北山雅康/浜村淳/ひさうちみちお/笑福亭松之助

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ビリケン

ビリケン

  • 杉本哲太
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ビリケン (映画) - Wikipedia

 

 

登場する作品

哀愁(字幕版)

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  • ヴィヴィアン・リー
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この作品が登場する作品

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