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「Dr.Tと女たち」 2000

Dr.Tと女たち

★★☆☆☆

 

あらすじ

 妻が心を病んで入院してしまい、気落ちしていた産婦人科医の男は、ゴルフ場で知り合った女性と親密になる。

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感想

 家族は妻と二人の娘、仕事は産婦人科医と、女たちに囲まれて生きる男が主人公だ。冒頭の女たちのワチャワチャぶりを延々ととらえ続ける病院の待合室のシーンは、敢えてやっているのだと分かっているのに、それでも騒々しさにイライラしてしまった。こんなシーンが映画の中で何度も登場する。

 

 主人公は、そんな女たちが猛威を振るう日々をなんとか切り抜けながら過ごしている。女だらけと聞くとハーレムかと羨ましく思いがちだが、これが現実なのだろう。しかもそんな状況だと、女を女と思わないような、人を人と思わないような態度でやり過ごすようになりそうなものなのに、主人公は女性たちにちゃんと敬意と誠意をもって接している。

 

 

 しかも数時間ではなく、数十年をそうやって過ごせるのだから、これは彼の人間性がなせる業だろう。誰でも出来ることではない。なんせ妻を愛しすぎて心を病ませてしまうくらいなのだから筋金入りだ。しかし、不満があればうるさいし、満たされてしまうと病んでしまうなんて、人間は面倒くさい生き物だ。

 

 そんな主人公も、いつもの騒々しい日常に加えて妻の問題、娘の結婚、自身の恋愛とさらなるストレスをいくつも抱えたことで、ついに日ごろの鬱憤が爆発してしまう。喜劇らしい筋立てだが、そこにあまり爽快感やカタルシスが感じられなかったのが残念だ。それまでも小粋なジョークが散りばめられているのは分かるのだが、それよりも女たちの騒々しさに対するイライラの方が大きくて、あまり笑える気分になれなかった。このあたりは見る人にどれくらい耐性があるかが影響しそうだ。

 

 クライマックスで主人公がブチ切れて終了ではなく、その後にさらに女に一杯くらわされるシーンがあるのが心憎い。だからと言って女たちなしでは生きていけないことを示唆するラストが続き、もうどうしたらいいのだと苦笑するしかなかった。

 

 ところで今だったらこの映画も、「女は話が長い」と発言して批判された元首相のように叩かれてしまうのだろうか。今回はたまたま女性が題材になっただけで、男も同じだと考えれば大丈夫なのかもしれない。弱って耐性がなくなっている人が集う病院では、イライラして怒っているおじさんもよく見る。

 

 少なくとも人々の価値観が急速に改められている21世紀も20年が過ぎた世界で、今だに女性閣僚を起用した総理が「女性ならではの感性や共感力を期待したい」などと言っちゃって、しかも波風すら立たない国では当分大丈夫そうだ。

岸田総理 過去最多タイ5人の女性閣僚には「女性ならではの感性や共感力を期待」 | TBS NEWS DIG

 

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ロバート・アルトマン

 

出演

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ヘレン・ハント/ファラ・フォーセット/ローラ・ダーン/シェリー・ロング/ケイト・ハドソン/リヴ・タイラー/タラ・リード/ロバート・ヘイズ/リー・グラント

 

音楽 ライル・ラヴェット

 

Dr.Tと女たち

Dr.Tと女たち

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Dr.Tと女たち - Wikipedia

 

 

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