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「ノック・ノック」 2015

ノック、ノック(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 妻と子供たちが旅行に出かけ、深夜にひとり仕事をする男の家に、二人の若い女が突然訪れる。映画「メイク・アップ」のリメイク。

 

感想

 冒頭の家の中の洗練された趣味の良い家具やアート作品、洒落た家族の写真などを映しながら夫婦の部屋にたどり着くショットだけで、男の人生がうまくいっており、幸せな生活を送っていることがよく分かる。そして、映画の途中で何度かこの同じショットを繰り返して、その絵に描いたような幸福が崩れていっていることを表現しているのは、なかなか効果的で上手い演出方法だ。

 

 雨の深夜、男のもとを訪れた若い二人の女が巧みに男を誘惑した後、脅してやりたい放題するのだが、この女たちの目的が何か分からない。金が欲しいわけでもなく、別に男や家族に恨みがあるわけでもない。「時計じかけのオレンジ」に出てくる若者たちのように、ただただゲームとして楽しんでいるだけなので、正直ずっと不愉快さを感じながら観ていた。

 

 さらに彼女たちに痛めつけられるキアヌ・リーヴス演じる男が、何度も逃げたり反撃するチャンスを掴みながらも、ことごとくそれらをフイにしてしまう。「何やってんだよ、キアヌ・リーブス!」とその度にイライラもさせられる。

 

 そんな風に不愉快さとイライラを抱えながら終盤まで見ることになる。しかも結局彼女たちの目的もはっきりさせず、事件としても何も解決させることなくそのままやりっ放しで、相当ストレスが溜まるはずなのに、最後にクスッと笑わさせられただけで最終的に全て許せてしまったのは不思議。自分でも狐につままれたような気分なのだが、終わりよければ全て良しとなってしまうという事なのか。

 

 しかもこれは偶然ではなく、ちゃんと計算してやっているのが分かるので憎たらしい。してやられた感が半端ない。もちろん悪い気分じゃない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 イーライ・ロス

 

製作総指揮/出演 キアヌ・リーヴス

 

製作/出演 コリーン・キャンプ

 

出演 ロレンツァ・イッツォ/アナ・デ・アルマス

 

ノック、ノック(字幕版)

ノック、ノック(字幕版)

 

ノック・ノック - Wikipedia

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