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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「フェーム 」 1980

フェーム(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 ニューヨークの舞台芸術専門の高校に入学した生徒たちの4年間。

 

感想

 ダンス、楽器、演劇からなる舞台芸術専門学校のオーディション風景から映画は始まる。そしてこのオーディションにやって来た若者たちが皆個性的な事に驚く。こういう学校にやって来るのは、優等生的な人間ばかりかと思っていた。オーディションでのアピールの仕方も皆独特で、レベルも玉石混交といったところ。それでも誰も自分の才能を信じて疑っておらず、それが時に可笑しくあるのだが、その真っ直ぐさがなんだか眩しかった。きっと彼らは自分なんてどうせ駄目だろうと卑下したり、周囲の評価に怖気づいたりすることはないのだろう。いざ学校が始まってみると、意外な人物たちも合格していることが分かり、学校側の懐の深さにも感心してしまった。

 

 映画は誰が主役というわけでもない群像劇。そしてストーリーも核となる物語があるわけではなく、生徒たちそれぞれのエピソードが断片的に描かれていくという形式。彼らの学生生活をただ眺めているだけとも言えるのだが、それでも何故か全然観れてしまう。そして観ていると、なんだか自分も彼らと一緒に学校生活を送っているような気分になってくる。まるで彼らと共に青春時代を送っているような。

 

 

 考えてみればこうやって皆が同じようにそれぞれの夢を追い求めている時期というのは若い頃だけだ。20歳を超えると次第に皆、現実に生きるようになっていく。夢を叶えるのに年齢は関係はないと思っているが、こうやって皆と切磋琢磨しながら刺激を与え合い、自分の夢を追うことが出来るというのは、若者だけの特権なのだなとしみじみとしてしまった。劇中で何度かあるミュージカル的に全員で歌い踊るシーンは、そんな彼らの気分の高揚を示しているようで、とても印象的だった。年齢を重ねると夢を持つことすら難しいし、たとえ持てたとしても同じような仲間もいない中ではモチベーションを維持するだけでも大変だ。

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 入学当時は希望に満ちて自信満々だった彼らも、学年を重ねるにつれて様々な問題に直面し、現実を見つめるようになっていく。断片的なエピソードをいくつも観ているだけなのに、そんな彼らの変化が読み取れるようになっているのは上手い。そしてどれも中途半端ともいえる形で各登場人物たちのエピソードは終わってしまうのだが、だからと言って消化不良な感じはせず、まだ彼らは夢の途中なのだからそれも当然だろう、と納得してしまっている自分がいる。きっと彼らはこの先も様々な問題にぶつかるだろうが、この学生時代の経験を糧にして、何とか乗り越えていこうとするのだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督 アラン・パーカー

 

出演 アイリーン・キャラ/ローラ・ディーン/ポール・マクレーン

 

音楽 マイケル・ゴア

 

撮影 マイケル・セレシン

 

フェーム(字幕版)

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フェーム (映画) - Wikipedia

 

 

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