★★★☆☆
あらすじ
マフィアに脅され、格闘技の大会に出場させられることになった青年。
感想
オープニングタイトルからどことなく小粋でセンス溢れる映画を志向しているように感じられる。粋な音楽に格闘シーンを合わせたりして。ただそのせいでジャッキーのリズムではなくなってしまって、逆に小気味よさは失われている。
そしてジャッキーのセリフも少なく、どことなく傍観者的な視点を感じる距離感で撮られているので、いわゆるジャッキー映画の雰囲気はなく、感情移入しにくい。ハリウッド進出作ということで、何となく彼がどんな人間なのかドキュメンタリー的に観察されているような印象だ。
正直、アメリカ人の役者をキャスティングして、あとはジャッキーに好きに撮らせれば、彼のハリウッドでの成功はもっと早く達成していたような気がするのだが、香港・アジア映画は舐められていたということなのだろう。今回の少し小洒落た感じの演出は、ジャッキーの新たな魅力を引き出そうとした結果なのかもしれず、そこまで悪くはないのかもしれないが、最初の作品でやる必要はなかった。
クライマックスの格闘技大会。予選はバトルロイヤル方式ということで、1対多とか急造のチーム戦とかになるのかと思ったら、単純に各所で一対一で戦うだけ。せっかくの面白い設定なのだから、プロレスでも研究してもっと面白い展開にして欲しかった。
最後は足枷がなければジャッキーが圧倒的に強かったという物足りない内容。襲われたチームメイトや誘拐された兄の妻などのその後はすべてぶん投げて、何も描かずあっさり終了するところだけ香港映画風味だった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ロバート・クローズ
製作総指揮 レイモンド・チョウ
出演
ホセ・フェラー/クリスチーネ・ド・ベルー/マコ/ハードボイルド・ハガティ/ラリー・ドレイク