★★★★☆
あらすじ
自分を裏切った愛人が若い女性と婚約したことを知り、復讐のために相手の女性を手籠めにするようプレイボーイの子爵に依頼する侯爵夫人。
感想
裏切った恋人に復讐するため、その結婚相手をかどかわしてとんでもない女と結婚したと、恥をかかせようとする侯爵夫人。そして、それを依頼された子爵は、貞淑な夫人を遊び感覚でものにしようとしている。なかなかの性格の悪さが滲み出ている二人だ。この二人が共謀して、他人の人生を狂わせていく。
まずは役者陣が皆魅力的。侯爵夫人演じるグレン・クローズは堂々としながらも微妙な表情でその感情を表現し、子爵演じるジョン・マルコヴィッチは他人の感情を弄ぶような狡賢さを感じさせる演技。その他、ミシェル・ファイファーはセクシーだし、ユマ・サーマンは可愛らしく、彼らを見ているだけでも満足できる。衣装やセットなども豪華。それから、若い頃のキアヌ・リーヴスは男前だが頭の悪そうな役がよく似合う。
最初は少し登場人物たちの相関関係を理解するのに難儀したが、それが大体分かってくるとどんどんと面白くなっていく。単純に、悪者の悪い話が面白いのだが、そのうちに悪だくみをしていた二人が対立していくという展開がゾクゾクして良い。他人を弄んでいたつもりの二人が、やがて自らの人生まで狂わせていく。しかも、本心は別の所にあると薄っすらと気づいているのに、プライドが邪魔をして素直になれず、自滅してしまうのが物悲しい。策士が策に溺れてしまった。
何度も映画化されているのも納得できる面白いプロット。侯爵夫人と子爵のバチバチとした争いをもっと見たかった気もするが、一度歯車が狂ってしまえば雪崩を打ったように一直線で破滅に向かってしまうということか。緊張感があり、役者陣の演技も素晴らしく、見ごたえのある映画だった。なんとも言えない余韻が残るラストシーンも良かった。
スタッフ/キャスト
監督 スティーヴン・フリアーズ
脚本 クリストファー・ハンプトン
原作
出演 グレン・クローズ/ジョン・マルコヴィッチ/ミシェル・ファイファー/キアヌ・リーブス/スージー・カーツ/ミルドレッド・ナトウィック/ピーター・カパルディ
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