BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「危険な関係」 1988

危険な関係(1988) (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 自分を裏切った愛人が若い女性と婚約したことを知り、復讐のために相手の女性を手籠めにするようプレイボーイの子爵に依頼する侯爵夫人。

www.youtube.com

 

 アカデミー賞脚色賞、衣装デザイン賞、美術賞。原題は「Dangerous Liaisons」。

 

感想

 裏切った恋人に復讐するため、その結婚相手をかどかわしてとんでもない女と結婚したと恥をかかせようとする侯爵夫人。そして、それを依頼された子爵は、貞淑な夫人を遊び感覚でものにしようとしている。なかなかの性格の悪さが滲み出ている二人だ。この二人が共謀して、他人の人生を狂わせていく。

 

 まずは役者陣が皆魅力的だ。侯爵夫人演じるグレン・クローズは堂々としながらも微妙な表情でその感情を表現し、子爵演じるジョン・マルコヴィッチは他人の感情を弄ぶような狡賢さを感じさせる演技を見せている。その他、ミシェル・ファイファーはセクシーだし、ユマ・サーマンは可愛らしく、彼らを見ているだけでも満足できる。衣装やセットなども豪華だ。それから、若い頃のキアヌ・リーヴスは、男前だが頭の悪そうな役がよく似合う。

 

 

 最初は少し登場人物たちの相関関係を理解するのに難儀したが、それが大体分かってくるとどんどんと面白くなってくる。単純に悪者による悪い話が面白いのだが、そのうちに悪だくみをしていた二人が対立していくという展開なのがゾクゾクする。

 

 他人を弄んでいたつもりの二人が、やがて自らの人生まで狂わせてしまう。しかも、本心は別の所にあると薄っすらと気づいているくせに、プライドが邪魔して素直になれず、自滅してしまうのが物悲しい。策士が策に溺れてしまった。

 

 何度も映画化されているのも納得できる面白いプロットだ。侯爵夫人と子爵のバチバチとした争いをもっと見たかった気もするが、一度歯車が狂ってしまえば、雪崩を打ったように一直線に破滅に向かってしまうということか。緊張感があり、役者陣の演技も素晴らしく、見ごたえのある映画だった。なんとも言えない余韻が残るラストシーンも良かった。

 

スタッフ/キャスト

監督 スティーヴン・フリアーズ

 

脚本 クリストファー・ハンプトン

 

原作

bookcites.hatenadiary.com

 

出演 グレン・クローズ/ジョン・マルコヴィッチ/ミシェル・ファイファー/キアヌ・リーブス/スージー・カーツ/ミルドレッド・ナトウィック/ピーター・カパルディ

bookcites.hatenadiary.com

 

危険な関係(1988) (字幕版)

危険な関係(1988) (字幕版)

  • ジョン・マルコビッチ
Amazon

危険な関係 (1988年の映画) - Wikipedia

 

  

関連する作品

原作が同じ作品 1959年 フランス映画 

危険な関係 [DVD]

危険な関係 [DVD]

  • ジェラール・フィリップ
Amazon

 

 原作が同じ作品 1976年 フランス映画

華麗な関係 (字幕版)

華麗な関係 (字幕版)

  • シルヴィア・クリステル
Amazon

 

原作が同じ作品 1988年 イギリス・フランス映画 

 

原作が同じ作品 1999年 アメリカ映画 

 

 原作が同じ作品 2003年 韓国

 

原作が同じ作品 2012年 中国・韓国映画 

危険な関係(字幕版)

危険な関係(字幕版)

  • チャン・ツィイー
Amazon

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com