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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「カンフー・パンダ」 2008

カンフー・パンダ (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 ラーメン屋の跡取り息子でカンフーオタクなだけのパンダは、ひょんなことからカンフーの秘伝を授かる男に選ばれ、復讐のためにやって来るかつて町で大暴れしたユキヒョウと戦うことになってしまう。

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感想

 なにものでもなかったパンダが、ヒーローに選ばれ、厳しい修行を通して成長していく物語だ。神話や伝説でよく見られる典型的な「ヒーローズ・ジャーニー」の形式になっている。そしてダークサイドに堕ちた老師の弟子が敵役という設定は、「スター・ウォーズ」ともよく似ている。しかし「ダークサイドに堕ちる」という言葉は、分かりやすく使い勝手が良い。

 

 主人公はポジティブなだけが取り柄の何も出来ないパンダだったが、老師によって食べ物が関わると強くなる特徴を見出される。無理やり型にはめるのではなく、ちゃんと個性を生かした特訓をするところは現代的だ。そしてコミカルな特訓の様子は、この映画にも声優として参加しているジャッキー・チェンの映画ぽい。

 

 コメディ部分は、子供でも分かるような分かりやすいものが多い。基本的には子供向けの映画だから当然だが、大人も一緒に笑えるかと言ったらちょっと厳しいかもしれない。

 

 

 それからこれは別にギャグのつもりではないのかもしれないが、老師が主人公を名前の「ポー」ではなく、「パンダ」と呼んでいるのが面白かった。ある人が「人間」とか「日本人」とか「学生」と呼ばれてしまうのと一緒でずいぶんと乱暴だが、ちゃんと名前で呼ばないのは主人公を心のどこかで認めていないのか、過去の反省から敢えて距離をとろうとしているのか、そのどちらかの表れなのだろう。あるいは両方かもしれない。

 

 ハリウッド映画が東洋を舞台をするにしては違和感のない、まともな映像となっており、しかも美しいCGアニメーションとなっている。誉め言葉だが、序盤は少しゲーム画面ぽさもあった。欧米の人たちにはエキゾチックで新鮮だったのかもしれないが、東洋の日本人としては見慣れたものだ。そこに斬新さは感じられなかった。

 

 CGでしかできない表現がたくさんあって悪くなかったが、物語としては王道すぎる。これなら別にジャッキー映画でいいのでは?と思わなくもない。

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スタッフ/キャスト

監督/出演(声) ジョン・スティーブンソン/マーク・オズボーン

 

出演(声) ジャック・ブラック/アンジェリーナ・ジョリー/イアン・マクシェーン/セス・ローゲン/ルーシー・リュー/デヴィッド・クロス/ジェームズ・ホン/ランドール・ダク・キム/ダン・フォグラー/マイケル・クラーク・ダンカン/カイル・ガス/ウェイン・ナイト

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音楽 ハンス・ジマー/ジョン・パウエル

 

カンフー・パンダ (字幕版)

カンフー・パンダ (字幕版)

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カンフー・パンダ - Wikipedia

 

 

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