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「ベスト・キッド」 2010

ベスト・キッド

★★★☆☆

 

あらすじ

 母親の仕事の都合でアメリカから北京にやって来た少年は、自分をいじめる地元の少年を倒すため、知り合った中年の男にカンフーを習い始める。

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 1984年の同名映画のリメイク作品。原題は「The Karate Kid」。139分。

 

感想

 かつてのヒット映画を空手からカンフーに、舞台を北京に移してリメイクした作品だ。北京の少年たちの日常が描かれるのは新鮮で良かったが、主人公の少年と同じくらいに、転勤でやってきた母親が上手くやれているのか気になってしまうのは、自分が少年よりも母親の年齢に近いからだろうか。彼女の中国での奮闘ぶりも見たかった気がするが、それを描いてしまうとまた別の映画になってしまうので仕方がない。

 

 オリジナル版ではワックスがけやペンキ塗りなど独特の修行シーンが話題となったが、この映画でもそれを踏襲している。主人公が何度もジャケットをハンガーにかける動作を反復させられるのがそれだ。だがそれをさせられていた理由が明らかになるシーンは、いまいち分かりづらくてピンとこなかった。

 

 

 それに、修行と称して雑用をさせられているだけじゃないか、と半信半疑になるのが良かったのに、これは雑用ですらない。なんの生産性もなく、強いていうなら懲罰か。オリジナル版の時のように、真似をしたくなるようなものではなかった。

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 それから主人公が修行に打ち込み始めると、敵役の少年がほぼ現れなくなったのも気になった。師匠に禁じられたからなのだろうが、もっとちょいちょい嫌な感じで現れて、主人公と観客のモチベーションを上げて欲しかった。

 

 さらに振り返ると、最初に主人公と皆を結び付けた白人の少年もそのシーン以降は一切登場しない。普通は友人キャラになりそうなものだが、その役割のためだけに登場させたのだとしたらかなり雑で不格好な演出だ。

 

 中盤は主人公の修行と同時に、少女との恋や師匠の過去などが描かれていくのだが、目的を見失った方向性のない状態に陥ってしまった印象で、急激に話の推進力がなくなってしまった。とりあえずタスクをこなしておくかと、やっつけ仕事でエピソードが詰め込まれている。ここを簡潔にまとめて上映時間を120分に収めたかった。

 

 中だるみを経て、ようやくクライマックスの、敵役の少年と戦うカンフー大会が行われる。試合をしたことがなかった主人公があっさりと覚醒して勝ち進んでしまうとか、躊躇なく無慈悲な戦いを続けてきた敵役の少年が決勝で監督の指示にためらいを覚えてしまうとか、腑に落ちないことは多かったが、なんだかんだで盛り上がれた。特に最後の一本をかけた場面での主人公の動きは、それまでの伏線を短い時間でうまく回収していて気持ちよかった。

 

 不満はかなり多いのだが、まずまずの満足ができる映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 ハラルド・ズワルト

 

製作 ジェリー・ワイントローブ/ウィル・スミス/ジェイダ・ピンケット=スミス/ジェームズ・ラシター/ケン・ストヴィッツ

 

出演 ジェイデン・スミス

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タラジ・P・ヘンソン/ハン・ウェンウェン/ユー・ロングァン

 

音楽    ジェームズ・ホーナー

 

ベスト・キッド

ベスト・キッド

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ベスト・キッド (2010年の映画) - Wikipedia

ベスト・キッド(2010) 【字幕版】 | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

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