★★★☆☆
あらすじ
処刑から逃れた無法者を先住民の男と共に追うことになった地方検事は、背景に巨大な陰謀があることに気づいていく。
ラジオドラマ、コミック、テレビドラマなどで何度も作品化されている人気西部劇の映画化作品。149分。
感想
マスクをした法執行官と先住民のコンビによる西部劇だ。壮大な景色の中を騎兵隊や先住民が行き交う横長の映像は、いかにも古き良き西部劇といった趣があって、見ているだけで雄大な気分になれる。
ただし物語もゆったりとした速度で進むので、かったるさを感じてしまうのがネックだ。マスクのローン・レンジャーが誕生するまでに一時間もかかる。思っていたよりも遅々とした歩みに段々と焦れてくる。各シークエンスをしっかりと描き過ぎで、テンポの悪さが目立つ。
主人公とコンビを組む先住民役のジョニー・デップは、得意のストレンジでトボけた演技で魅せている。ただ、彼のトリックスター的な役割がこの映画の最大の特徴であり、面白みであるはずなのに、冗長な展開のせいで、スムーズな映画の進行を妨げて長時間化させている「戦犯」みたいになってしまっているのは気の毒だ。
緩急もなく淡々とあっちへ行ったり、こっちへ行ったりした挙句のクライマックスは、なかなか見ごたえのある軽快なアクションに仕上がっていた。だがこれもまた長いクセにテンポが一本調子で、次第に見るのが疲れてくる。怒涛の展開のつもりなのかもしれないが、時おり一息つける時間が欲しかった。
西部劇らしさや映画らしさが溢れる映画なので、嫌いにはなれないがもう少しサクサクと進行して欲しかった。二時間以内に収まるよう編集し直したらもっと良くなりそうだ。もう一度最初から最後まで見るのは躊躇してしまうが、どれか一つのシークエンスだけを見るなら喜んで見られる、そんな映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/製作 ゴア・ヴァービンスキー
原作 「ローン・レンジャー」
製作 ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮/出演
出演 アーミー・ハマー/トム・ウィルキンソン/ヘレナ・ボナム=カーター/ウィリアム・フィクナー/ルース・ウィルソン/ジェームズ・バッジ・デール/バリー・ペッパー/サギノー・グラント/メイソン・クック/ハリー・トレッダウェイ/ホアキン・コシオ/レオン・リッピー/スティーヴン・ルート/ジェームズ・フレイン/ギル・バーミンガム/JD・カラム/デイモン・ヘリマン/マット・オリアリー/ロバート・ベイカー/リュー・テンプル
音楽 ハンス・ジマー
撮影 ボジャン・バゼリ
ローン・レンジャー (2013年の映画) - Wikipedia
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同じ原作の映画化作品(1981年)