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「ラブストーリーズ エリナーの愛情」 2015

ラブストーリーズ エリナーの愛情(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 投身自殺を図るも一命をとりとめた女は、実家に戻って新しい生活を始める。

 

 一つの物語を夫婦それぞれの視点から描いた「ラブストーリーズ」の妻視点バージョン。男性視点は「ラブストーリーズ コナーの涙」。

 

感想

 すでに夫視点の「ラブストーリーズ コナーの涙」を見ているので、そこでは分からなかった妻の動向を脳内で補完するような感じで見た。二人が登場するどちらの映画でも共通の同じシーンなのに、微妙に内容が違っているのが面白かった。二人で同じ時を過ごしても、同じ思い出を共有しているとは限らない。

 

 夫視線のもう一作を見た時は、妻が独りよがりで我がままを言っているような印象だったが、それはこの映画を観てもそんなに変わらなかった。ただ、彼女は彼女なりに許せないことがあり、一概に悪いとは言えないな、という気にはなった。これは気持ちの問題なので、どちらが正しいとかではなく、そう思うのならもうそれで仕方がないことだ。このすれ違いはもはや修正できない。

 

 

 二人とも別れた後は親の元に戻っているが、学者の家と実業家の家という育った家庭の違いも関係しているのかもしれない。妻側は海の、夫側は流れ星の、両方の父親が印象的な話をしているが、これが二人の物事の捉え方の違いを端的に表しているような気がした。

 

 それから、夫視点の方で気になった音楽の扱いは、妻を思い出すから、ということか。

 

 二人の出会いは、男に父親の世話にならない生き方を、女に大学を辞めることを選択させたが、別れた後は共に出会う前の道に戻っている。それが、まるで二人の出会いを否定するような感じがして切ない。二つの映画で微妙に違うラストも、どちらにしても二人の心はすれ違い、決して元に戻ることはないことを暗示しているように思えた。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ネッド・ベンソン

 

製作/出演 ジェシカ・チャステイン

 

出演 ジェームズ・マカヴォイ/ヴィオラ・デイヴィス/ビル・ヘイダー/イザベル・ユペール/ウィリアム・ハート/キャサリン・ウォーターストン


音楽 サン・ラックス

 

ラブストーリーズ - Wikipedia

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