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「ラブストーリーズ コナーの涙」 2014

ラブストーリーズ コナーの涙(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 幼い子供を失ったことで心がすれ違い、家を出ていった妻の心をなんとか取り戻そうともがく夫。

 

 一つの物語を夫婦それぞれの視点から描いた「ラブストーリーズ」の夫視点バージョン。女性視点は「ラブストーリーズ エリナーの愛情」。

 

感想

 子供を失うだけでもつらいのに、それによって夫婦の関係までおかしくなってしまうというのはしんどい。負のスパイラルが起きている。

 

 ただこうなってしまうのも分からなくはない。悲しみから立ち直るのにかかる時間は個人差がある。妻は先に立ち直った夫を見て、もう子供の事を忘れたのか、本当は愛してなかったのでは?と疑い、夫はそんな妻を見て、自分は悲しみを乗り越えて必死に前向きに生きようとしているのに、なぜ分かってくれないのか?とやり切れない思いを抱えている。そして二人の関係が冷えていく。

 

 

 この映画は夫目線で描いているので、いつまでも心が沈んだままで、ついには一方的に家を出ていく妻にどうしても反感を覚えてしまう。せめて、現在の自分の心境や相手への思いをちゃんと言葉で言うべきなのに、何も言わないでただ、なんで分かってくれないんだと一方的にフラストレーションを溜めている。それが、とても独りよがりで身勝手な行動に見える。それでも、夫は立ち直れない妻を親身になってサポートしようとしていて健気だ。

 

 ただ、こうやって妻に対して色々と批判してしまうと、妻目線で描いたもう一方の作品を観た時に、やっぱりお前は何もわかっていなかったな、という事になりそうで怖い。当然、妻には妻の事情があったはずで、まさにすれ違いが起きていたのではと予想しているが。

 

 こういった二部作の映画では、二本目はもう見なくてもいいかなと思う事は割と良くあるのだが、この作品は次の作品も見たいと思わせる内容となっている。一本の映画としてみると物語に曖昧さを感じる部分はあるのだが、それでも夫婦の話だけでなく、主人公と同僚たちとの関係や父親との会話など、魅力的なエピソードが詰まっていて惹きつけられた。

 

 それから、なんとなく音楽好きな雰囲気が漂っている映画なのに、落ち込むとかうるさいとか、気に入らないとか、何かにつけて主人公が音楽を嫌っているのが印象的だった。彼の感受性のなさを表しているのか、あるいは感受性が強すぎるがゆえに感傷的とならないよう、拒絶しているのか。このあたりはもう一方の作品を見れば、その理由が明らかになるのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ネッド・ベンソン

 

製作/出演 ジェシカ・チャステイン

 

出演 ジェームズ・マカヴォイ/ヴィオラ・デイヴィス/ビル・ヘイダー/キーラン・ハインズ/イザベル・ユペール


音楽 サン・ラックス

 

ラブストーリーズ - Wikipedia

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