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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「どですかでん」 1971

どですかでん

★★★☆☆

 

あらすじ

 貧しい地域で暮らす人々。 

 

感想

  貧しい地域で暮らす人々の群像劇。市電運転手になったつもりで街中を走る少年、感じのいい夫と悪い妻の夫婦、我が家を空想するホームレスの親子、といった感じで皆どこか寓話的なキャラクターたちだ。

 

 登場人物たちは皆が模範的な人物たちというわけではなく、善い人がいれば悪い人もいて、さらにはよく分からない人もおり、まさにごった煮の人間模様といった感じになっている。妻の過ちを一生許せない夫もいれば、あっけらかんと妻を交換してしまう男もいるしで、世の中にはいろんな人たちがいるのだなと改めて実感させられる。そして皆、たくましく生きている。

 

 

 中でも渡辺篤演じる彫金師のおじいさんが良かった。泥棒がやってくれば現金のありかを教えて「困ったらまた来なさい」と帰し、酔って暴れる近所の男をあっさりとおとなしくさせ、死にたいという者が来れば死にたくなくさせてしまう。そのすべてがどれも飄々とした様子で行われるので、かっこよく見える。近所にこんな人がいれば、全てがうまく回りそうだ。

 

 幼い子供に食料を調達させ、自分は空想ばかりしているホームレスの男や、自分は酒浸りで、妻と養女になった姪ばかりに働かせて、姪には手まで出す男と、なんとなく情けない男が多く描かれているように思えた。もっともらしいことを言って偉そうにしている男に限って大したことはない、と言いたいのかもしれない。

 

 こんな風に、どこか変な人たちが集まって社会が形成され、世の中は動いている。その一員である自分も、自分では普通だと思っているが、きっと他人から見れば変な人に見えるのだろう。きっと「普通」なんて世の中には存在しないのだろうな、とそんな気分になってくる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作

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脚本 小国英雄/橋本忍

 

原作 季節のない街


製作 松江陽一

 

出演 頭師佳孝/菅井きん/三波伸介/伴淳三郎/根岸明美/吉村実子/三谷昇/下川辰平/田中邦衛/井川比佐志/松村達雄/芥川比呂志/奈良岡朋子/塩沢とき/ジェリー藤尾/藤原釜足

 

音楽 武満徹

 

どですかでん

どですかでん

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video
 

どですかでん - Wikipedia

 

 

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