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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「スモール・ソルジャーズ」 1998

スモール・ソルジャーズ [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 高性能な兵士とモンスターのおもちゃ同士の戦いに巻き込まれてしまった少年。

 

感想

 兵士やモンスターのフィギュアたちが動き回る様子は、単純に見ていて楽しい。映像も違和感がなく良く出来ている。戦争映画あるあるやパロディも面白かった。それから、おもちゃが暴走する原因を探る過程で、埋め込まれたチップの開発者が気分を害して、「悪いのはチップじゃない、ソフトだ。」と即座に反論していたのも笑ってしまった。ありそうだ。

 

 しかし気になる点も多かった。まず、おもちゃの兵士軍団とモンスター軍団が戦う理由が、そうするようにプログラムされているから、だけな事。そこを観客が納得できるようにちゃんと描けるかどうかが、その映画の出来を左右する重大なポイントなのに、そういう設定なので受け入れてください、だけではつらい。全然感情移入できず、応援する気にもなれなかった。おもちゃの世界の中での設定という体でもいいので、何らかの因縁は用意して欲しかった。

 

 それから、人間対おもちゃの兵士軍団という構図になっているが、兵士軍団が味方になって、少年と協力して悪い大人を倒す、みたいな物語にした方が盛り上がったような気がする。彼らを敵役にしてしまうと、所詮おもちゃだしなと思ってしまうところもあり、おもちゃのくせに襲ってくるなんてと、小憎たらしさしか感じない。たとえ商品化したとしても、この敵役のキャラクター達のフィギュアが欲しいとは思わないので、商売としても損をしている。彼らが味方であれば、疑似戦争を通して少年が成長していく姿も描けたかもしれない。

 

 そして、兵士軍団の本来の相手役であるモンスターたちの存在感があまりないのも気になった。そもそも彼らに戦う理由はないのだから仕方がないが、その代わりに人間たちが迷惑をこうむっているので、どういうことなのだと苛立ちを覚えてしまう。ただ、一貫して遠い目をし、哀しきモンスター感をずっと漂わせていたのは、空気が読めない場違いキャラのようで可笑しかったが。

 

 

 悪くはないのだが、もっと面白く出来たはずと思ってしまう映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジョー・ダンテ

 

出演 グレゴリー・スミス/キルスティン・ダンスト/ジェイ・モーア/フィル・ハートマン/ケヴィン・ダン/デニス・リアリー/デヴィッド・クロス/ディック・ミラー/ウェンディ・シャール/ジェイコブ・スミス/ロバート・ピカード/(声)トミー・リー・ジョーンズ/(声)ジョージ・ケネディ/(声)アーネスト・ボーグナイン/(声)クリント・ウォーカー/(声)ブルース・ダーン/(声)ジム・ブラウン/(声)クリスティーナ・リッチ/(声)サラ・ミシェル・ゲラー/(声)フランク・ランジェラ/(声)クリストファー・ゲスト/(声)マイケル・マッキーン/(声)ジム・カミングス

 

音楽 ジェリー・ゴールドスミス

 

スモール・ソルジャーズ [DVD]

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スモール・ソルジャーズ - Wikipedia

 

 

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