★★★☆☆
あらすじ
巨大な隣国に対抗するため、西アフリカの小国が組織していた女戦士軍団に、幼い少女が新兵として加わる。
かつて西アフリカに実在した女性兵士たちを題材にした物語。135分。
感想
西アフリカの小国で組織された女戦士部隊の活躍を、リーダーと入隊したての少女を中心に描く物語だ。実在した女戦士部隊をモデルにしたそうだが、男よりも体力的に劣り、リスクも大きい女性がなぜわざわざ戦うのかと不思議ではあった。後で調べると、戦争で男が減ってしまったからとか女王を守るためだったとか理由は色々あったようだ。
映画のモデルとなった女性兵士軍団 ダホメ王国を守る - 日本経済新聞
新兵となった少女は、親の決めた結婚を拒絶したことから部隊に入れられてしまった。娘を有力者と結婚させて一族の繁栄を図る当時のシステムに逆らったことから見限られたわけだが、この部隊には姥捨山的な機能もあったのかもしれない。行き場を失った女がたどり着く場所になっている。
ただ、知らないおじさんと結婚させられて召使いのようにこき使われるくらいならこっちの方がいい、という女性もいたのだろう。ある意味では選択肢があっていいのかもしれない。
隊長の苦悩や少女の成長、メンバー同士の絆を描く王道の物語が展開される。メンバーは皆キャラが立っており、戦いのシーンは思ったよりも見ごたえがあった。中でもシーラ・アティム演じる隊長の側近が、個性的な顔立ちと見事なプロポーションで槍を操る姿は印象的だ。まるで漫画のキャラクターのようで、良いビジュアルだった。
その他のシーンも単独で見れば悪くない。戦士の苦悩や背後にある奴隷制の闇も描かれている。だが全体でみるとずっと同じようなテンポで進行するので、単調で冗長に感じてしまった。もっと緩急やメリハリが欲しかった。ストーリーの予測がつく展開なので、だらだらと130分もやられるとしんどい。
これで100分くらいの上映時間に収めてくれていたら満足度はもっと高くなったはずだ。アフリカらしい荘厳な音楽も段々とウザったくなった。
スタッフ/キャスト
監督 ジーナ・プリンス=バイスウッド
製作/出演 ヴィオラ・デイヴィス
出演 トゥソ・ムベドゥ/ラシャーナ・リンチ/シーラ・アティム/ヒーロー・ファインズ・ティフィン/ジョン・ボイエガ