★★★☆☆
あらすじ
ガールとはもう呼ばれなくなり始めた年代の女性たちの物語。
内容
男は毎年現れる新人の女性社員をちやほやするし、若いからと甘やかされなくなっているし、横並びだと思っていた同年代の同性たちも結婚したり、出世したり、子供が生まれたり、マンションを買ったりといつのまにかそれぞれの人生に違いが表れてきている。
こういうのは女性に顕著なものかもしれないが男にだって同じような事はある。ふと周りの人間と自分を比べてみて、いつの間にか年下の人間が多くなっていたり、周りの自分に対する接し方が昔とは違うな、と気付く。そして自分はもう若いわけではないのだと悟る。こういうのは突然気付くものだからたちが悪い。一旦気付いてしまうと次から次と思い当たる節が浮かんで、なんだか急に焦ってきてしまう。
だけどこの年齢くらいから人間の中身がものを言い始めるのではないだろうか。若い時は男前だったのに風采が上がらないやつれたおじさんになったり、どうってことがなかった人が魅力的な人になったりもする。もう若くない事に気落ちしたりせず、その年代のカッコよさや美しさを追求することが大事だ。
そんなもう若さでは勝負できなくなってきた女性たちの焦りや苛立ちや開き直りをこの本はうまく表現している。年をとっても魅力的な女性はたくさんいるのだから、どうか世の女性たちは朝青龍のようにふてぶてしい顔をした醜いおばさんにはならずに、いつまでもガールの気持ちをどこかに潜ませた美しい大人の女性になって欲しいと切に願う。
著者
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