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「キック・アス ジャスティス・フォーエバー 」 2013

キック・アス ジャスティス・フォーエバー (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 前作で父親を殺された男がスーパー・ヴィランとして、主人公に仇討を仕掛けてくる。

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感想

 前作では小さな女の子だったヒット・ガール演じるクロエ・グレース・モレッツが、わずか三年で普通の若い女になっていて驚く。12歳から15歳だとそれくらいの変化はあるということか。前作の時はもっと幼くまだ10歳くらいかと思っていたが、実際はもうちょっと上だった。

 

 再び正義のために戦い始めた主人公と、普通の人生を送る努力を始めたヒット・ガール、二人の様子が描かれる。主人公が仲間と共に戦う姿は正義が暴走しがちな自警団の危うさがあるし、親の影響を脱して普通の人生を歩もうともがくヒット・ガールには、宗教二世の抱える苦悩と同じものを感じる。

 

 これらは特別な存在ではない大多数の普通の人間にとって、正義とはどうあるべきかを問いかけているかのようだった。特殊な能力を持ったヒーローの責任ではなく、普通の人間の責任をテーマにしている。

 

 主人公のもとに集まって来る同志たちはどこかアカ抜けない人たちばかりだし、主人公は欲望を抑えることができず、ヒット・ガールはつい汚い言葉を使ってしまう。もっとスマートに描けば普通にカッコいいヒーロー映画になるのにそうはしないのが、この物語の魅力だろう。敢えてカッコ悪い部分や汚い部分を見せることで、彼らも自分たちと同じように決して清廉潔白でも純真無垢でもない普通の人間なのだと感じさせてくれる。

 

 

 主人公が物語をけん引しながらも、最後はキック・アスが持って行く前回と同じパターンの展開だ。だが、待ってました!と言いたくなるような水戸黄門的な気持ちよさがあった。もう幼い少女が泣きべそかきながら戦う感じはないが、可憐な少女が必死に戦う姿にはグッとくる。クスリをキメて、ギラギラしだすのも可愛く面白かった。

 

 クライマックスの直接対決に至るまでの、主人公と悪役の対立が激化していく様子の描き方が不十分で中盤が少しだらけてしまったが、最後はしっかりと盛り上がり、十分に楽しめる映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジェフ・ワドロウ

 

原作 キック・アス2 (ShoPro Books)」/「Hit-Girl

 

製作 マシュー・ヴォーン/アダム・ボーリング/タルキン・パック/デヴィッド・リード

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出演 アーロン・テイラー=ジョンソン/クロエ・グレース・モレッツ/クリストファー・ミンツ=プラッセ/ジム・キャリー/ドナルド・フェイソン/リンディ・ブース/クラーク・デューク/スティーヴン・マッキントッシュ/オーガスタス・プリュー/アンディ・ナイマン/ダニエル・カルーヤ/ジョン・レグイザモ/モリス・チェストナット/ヤンシー・バトラー/リンジー・フォンセカ/ソフィ・ウー

 

キック・アス/ジャスティス・フォーエバー - Wikipedia

 

 

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