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「ご冗談でしょう、ファインマンさん」 1985

ご冗談でしょう,ファインマンさん 上 (岩波現代文庫) 

★★★★☆

 

内容

 ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・P・ファインマンのエッセー。

 

感想

 ノーベル賞を取るような学者というのはどこか浮世離れしていて、専門の学問以外では何もできなさそうな人が多いようなイメージだが、この著者は全然違う。好奇心旺盛で楽器を習ったり、女の子をものにする方法を習得しようと努力したり、日本語を覚えようとしたりする。実に人生が楽しそうでうらやましい。催眠術の実験台に自ら進んで立候補してしまうような、興味を持ったらどんどん飛び込んでいくその姿勢がいいのだろう。確かにそうすることで自然と面白く楽しい事が身の回りに集まってきているような気がする。

 

 大学で学ぶ人たちが、知識はあるが考えようとしないことに残念な気持ちを持っている事にも同感だ。確かに世間にはこういう人が多い。インターネットのある現在、知識があるだけじゃ何の意味もない。大事なのはどうその知識を生かすかだったり、どれくらい理解しているかだったりする。いい大学を出ていても馬鹿としか思えない人にもよく出会う。自分を偉い人間に見せようとするそういった人たちを憎む姿にも共感できる。

 

 

 最高のおもちゃである自分の脳みそを駄目にしないために、酒を飲んだりドラッグを試すことはしないことにした、という言葉が印象的だった。

 

著者

リチャード・P・ファインマン

 

ご冗談でしょう、ファインマンさん - Wikipedia

 

 

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