★★★★☆
あらすじ
南北戦争にも終戦の兆しが見え、終戦後に黒人奴隷開放の機運が静まることを恐れた大統領リンカーンは、奴隷制廃止を定める憲法の修正条項法案の成立を急ぐ。
感想
アメリカの奴隷解放の動きが、純粋な人権問題としてなされたわけではなかった、というのが意外だった。戦争を終わらせるためならやむを得ない、という程度の人々の認識。
D・カーネギーがその著書でリンカーンに賛辞を送っているが、この映画を見ているとそれがよく分かる。決して人と激しく衝突したりせず、淡々としていて物静かで、だけど周囲の空気を和ませるために小噺を始めたりする。それでいて、自分のやるべきことについては、回り道も辞さず着々と進めていく。
そんな、リンカーンをダニエル・デイ=ルイスが良く演じている。きっとこんな人だったのだろうなと思わせる。
リンカーンについてもだが、法案可決のための議会工作の内幕を知る、という意味でも面白かった。可決のための票の計算と、その票を得るために反対派への切り崩し工作。たまにニュースでそんなワードを聞くことはあったが、実際はこんなことをしているのか。
黒人の開放を成し遂げ、歴史に残る男となったリンカーンだが、ネイティブ・アメリカンに対しては、真逆の対策を取っていたことをウィキペディアで知り、かなり引いた。結局、自分たちとは別の価値観を持つ文化は許容できないのだな、あの人達は。
スタッフ/キャスト
監督/製作
出演 ダニエル・デイ=ルイス/サリー・フィールド/ジョゼフ・ゴードン=レヴィット/ジェームズ・スペイダー/ハル・ホルブルック/ジョン・ホークス/ティム・ブレイク・ネルソン/ブルース・マッギル/デヴィッド・ストラザーン/トミー・リー・ジョーンズ /ガリバー・マクグラス/グロリア・ルーベン/スティーヴン・ヘンダーソン/エリザベス・マーヴェル/ジョセフ・クロス/ジェレミー・ストロング/デイキン・マシューズ/ジュリー・ホワイト/S・エパサ・マーカーソン/ウェイン・デュヴァル/デヴィッド・コスタビル/スティーヴン・スピネラ /リー・ペイス/マイケル・スタールバーグ /ウォルトン・ゴギンズ/デヴィッド・ウォーショフスキー/ジャレッド・ハリス /デヴィッド・オイェロウォ/ルーカス・ハース/デイン・デハーン /アダム・ドライバー /ジャッキー・アール・ヘイリー /グレゴリー・イッツェン
音楽 ジョン・ウィリアムズ
登場する人物
エイブラハム・リンカーン/ロバート・E・リー