★★★★☆
この手の本の古典的名著とされている作品。よくまとまっているし、頷けるものばかりでその評価にも納得できる。様々な煽り文句をつけられ売られているこれ関係の本をたくさん読むよりも、これ一冊で充分とさえ思える。
でも読んでいて不安になるのはそれでも動かせない人もいるだろうな、ってこと。本書が言おうとしている事は人間性を高めろって事だけど、世の中には人の善意や良心につけこむ人は多くて、そういう人にはきっと通用しない。一応本書ではそういうことも有るだろうけど、内容を実践することでその可能性を少しでも下げることが出来るだろう、とフォローしているのだけど。
一番いいのはみんながこれを読むことだけど、そういう人は絶対これを読まないのがジレンマ。学校の道徳とかでやればいいのに。
人の心理をうまく捉えてるなと思ったのはアーサー・ゲイツの「教育心理学」の一節として紹介されていた下記の箇所。
人間は一般に、同情を欲しがる。子供は傷口を見せたがる。時には同情を求めたいばかりに、自分から傷をつけることさえある。大人も同様だ
p238
著者 デール・カーネギー