★★★☆☆
あらすじ
ある雨の日、同じ川の違う橋の上にいた二人の小学生女児の物語。
感想
二人の女の人生を描いているようで、戦後の日本の地方を描いている。東京オリンピックや公共工事によって、中央から地方に豊かさが波及し、バブルの終焉とともに、右肩上がりを続けてきた発展にも陰りが見え始める。そんな時代の移り変わりの中を生きてきた両親たちと、停滞を見せ始めた時代に大人になった子供の物語。
どんな世代であっても、彼らを育てた親の世代から影響を受けている。それに従順になったり反発したりして、世代が形成されている。だから簡単に、今の若い世代は…と語る事はできなくて、その親の世代なんかも考慮するべきなのだろう。
著者
橋本治