★★★★☆
内容
凄いアイデアは天才のひらめきから生まれると考えがちだが、実際はフレームワークを利用すれば、だれでもすごいアイデアを生み出せるとして、その方法を紹介している。
感想
アイデアを生み出すというよりはアイデアを伝える方法といった感じだが、伝え方自体にアイデアが必要であるとも言える。製品自体は特別すごいわけでもないが、CMが面白くてヒットすることもある。
人々の記憶に焼きつけるための枠組みとして、「単純明快である・意外性がある・具体的である・信頼性がある・感情に訴える・物語性がある」の6つの原則があるとして、それぞれをまさにこの原則に照らし合わせたような内容で紹介していて面白い。
だが、まず心に留めて置かなければいけないことは「知の呪縛」である。
いったん何かを知ってしまったら、それを知らない状態がどんなものか、うまく想像できなくなる。知識に「呪い」をかけられるのだ。そうなると、自分の知識を他人と共有するのは難しい。聴き手の気持ちがわからないからだ。
p38
伝える側はアイデアを生み出すためにいろいろな情報や知識を詰め込むわけだから、これを理解していないと、伝える側と聞く側のギャップはとんでもないことになる。
記憶に焼きつくアイデアは、必ずしも自分で生み出す必要はない。たいていの場合、「発見する」方が簡単だし役に立つ。
p303
必ずしもアイデアは生み出すものではないというのは心強い。とは言っても、人が気づかないことに気づいて発見するのはそう簡単ではないが。そういう意識を持って生活を送ることが重要だ。
紹介された原則を常に意識することで、それなりのレベルのアイデアになりそうな気がしてくる。残念なのは、この6つの原則の頭文字を取って「SUCCESs」というキャッチーな言葉にしているのに、この日本語版ではそれぞれのアルファベットが何を意味しているのか、意識的に覚えやすいようにしていない所。6つの原則「SUCCESs」は思い出せるけど、Sは何で、Uは何でっていうのが思い出せない。もうちょっと本文の中に、これらの単語を頻繁に出して、読者の記憶に焼きつく工夫をして欲しかった。(ちなみにSimple, Unexpect, Concrete, Credible, Emotional, Story)
著者
チップ・ハース
- 作者: チップ・ハース,ダン・ハース,飯岡美紀
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/11/13
- メディア: 単行本
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登場する作品
「13 Going On 30 (字幕版)(13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ)」
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 - Harry Potter and the Order of the Phoenix ハリー・ポッタ (Harry Potter)
決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか? (トッパンのビジネス経営書シリーズ)
Nice Guys Finish Last (English Edition)
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