★★★★☆
内容
ある村を創設した一族の百年に及ぶ物語。
感想
百年もあれば、子供が生まれてさらにその子供が生まれて、とあるのだが、その子どもたちの名前がほとんど同じ名前の使い回しで、そこが最初は戸惑った。でも、それを乗り切れば一気に読んでしまいたくなるくらい面白かった。冒頭の家系図を何度も眺めて誰が誰の孫で、誰が誰の曽祖父で、と確認しながら。
色々な物語が入り組んでいるのだが、その一つ一つが即興で作っているような面白さがある。
この一族の男たちは、家に居着かないか引きこもるかの極端な者が多く、どこか頼りなげであるが、女たちは対照的にせっせと働き、たくましく力強いのが印象的だ。
「でも忘れちゃいけませんよ。生きているうちは、わたしたちはいつまでも母親だってことを。革命家だか何だか知らないけど、少しでも親をないがしろにするようなことがあれば、そのズボンをさげて、お尻をぶつ権利があたしたちにあるってこともね。」
P.193
著者
G・ガルシア・マルケス
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