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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「お茶漬の味」 1952

お茶漬の味

★★★☆☆

 

あらすじ

 夫のすべてが気に入らず、嘘をついては友人と出かける妻。

 

感想

 家で見せるぼんやりとした夫の姿に嫌気をさしている妻。気に食わない夫の悪口を友人にぶつけ、最終的には何も言わずに家を出てしまう。この妻が何歳設定なのか分からないが、それなりの年齢の女のわがままには腹立たしさを感じてしまった。

 

 妻がわがまま放題でも生きてこられそうな、上流階級のお嬢様だったというのも影響しているのかもしれない。彼女が着ているハイセンスな着物の数々が、その個の強さを象徴している。

 

 

 小津映画の常連、笠智衆がパチンコ屋の親父という意外な役で登場。素朴で実直な背広を着た男、というイメージが強いが、案外こういう役も似合っている。本気なのか謙遜なのか、自分の商売をけなすのが可笑しい。

 

 夫婦二人でお茶漬けを食べることで、妻はこれまでの行動を反省し、夫に対するわだかまりも消えていく。それにしても、妻が自分の家の台所の様子がよくわからないというのもすごい。さすが上流階級。夫婦の寝室も違うようだし。

 

 わがままな妻と包容力のある夫という構図にしたかったのだろうが、わがままな妻と彼女を怒らせないように気を使って耐える夫になってしまっている。夫に感情移入して観ていると、胃が痛くなってくるような、そんな気分になる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 

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脚本 野田高梧

 

出演 佐分利信/木暮実千代/鶴田浩二/淡島千景/津島恵子/北原三枝/上原葉子

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撮影 厚田雄春

 

お茶漬の味

お茶漬の味

 

お茶漬の味 - Wikipedia

 

 

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