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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「夏への扉」 1956

夏への扉[新訳版]

★★★★☆

 

あらすじ

  自ら設立した会社を乗っ取られた技術者は、飼い猫と共に30年間の冷凍睡眠に入る決意をする。

 

感想

 技術者である主人公の、なるべく既製品を使うとか、故障が起きやすい箇所はなるべく減らすとか、修理は交換で済むようにするとか、その考え方にいちいち感心してしまった。いつの時代でも良い技術者になれそうだ。

 

 タイムトラベルものとしてそんなにすごい展開があるわけではないが、タイムパラドックスやらなんやらでややこしくなりすぎず、すんなりと理解できて楽しめる物語。

 

だが、畜生、何度火傷しようと、ひとを信用しなければならないときがあるのだ。

単行本 p299 

 

 そしてディストピア的未来ではなくて、明るい未来を信じているような前向きな世界観なのが好感が持てる。普通に生きていても、ついつい昔は良かったと言ってしまいがちなのに。常に良い面を見ようとしているのがいい。そして、ちゃんと猫を登場キャラクターの中の一員として、丁重に扱っているのも良い。

 

 

著者

ロバート・A・ハインライン

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

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  • 作者: ロバート・A.ハインライン,Robert A. Heinlein,福島正実
  • 出版社/メーカー: 早川書房
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夏への扉 - Wikipedia

 

 

登場する作品

The Sleeper Awakes

Time on My Hands

 

 

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