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「裏切りのサーカス」 2011

裏切りのサーカス (字幕版)

★★★★☆

 

 冷戦下のイギリスの秘密情報部、通称サーカスで長官の右腕を務める男は作戦失敗の連帯責任で辞任させられるが、その後、監視役から組織内の裏切り者を探すよう要請される。

 

 派手な展開はないが緊迫感が保たれた重厚な展開。説明的なセリフはほぼ無く、しっかりと見ていないと置いてけぼりにされてしまう。

 

 スパイを探す主人公を演じるゲイリー・オールドマンの覇気のないような枯れた雰囲気が有能なベテラン感を感じさせる。物静かに冷静に敵に迫っていく。

 

 しかし当事者たちはスパイ、ダブルスパイと入り乱れ、騙し合っていて、身内ですら完全には信頼できないし、自分が誰のために働いているのかすら分からなくなりそうだしで、正気を保つのが難しそうだ。この世界に長くいる主人公の顔に、諦念の表情が浮かんでいるように見えるのはそのせいかもしれない。

 

 主人公がソ連側の首謀者と対峙したときの話を、まるで再現するかのような構図で部下に話す場面等、印象的なシーンも多い。なかでも関係者が全て出席していたクリスマスバーティーの回想シーンが何度も繰り返され、かれらのキャラクターや心情、互いの関係性が垣間見られるようになっているのが上手い。

 

 ラストの回想シーンと共にフリオ・イグレシアスの「La Mer」が流れ出し、やがて登場人物たちの現在が描かれ、曲の終わりと共に主人公が着席しエンディングを迎えるシーンは、最高に決まっている。

 

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 物語のすべてを理解したとは言い難いが、それだけに何度も観たくなるような映画。

 

監督 トーマス・アルフレッドソン

 

原作 ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)

 

出演 ゲイリー・オールドマンコリン・ファーストム・ハーディジョン・ハートトビー・ジョーンズマーク・ストロングベネディクト・カンバーバッチ/キーラン・ハインズ/デヴィッド・デンシックサイモン・マクバーニー

 

裏切りのサーカス - Wikipedia

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