★★★★☆
あらすじ
恋人とバカンスを過ごしていた殺し屋が襲撃されるが、返り討ちにする。
感想
冒頭のいきなり始まるカーチェイスは迫力がある。狭い車道を車が疾走する。この時代の車高の低い薄っぺらい車はカーチェイスの時によく映える。見た目以上にスピードが出ているように感じてしまう。
チャールズ・ブロンソン演じる殺し屋はほぼ台詞のない無口な男で、そのくせ愛する女には力ずくで迫るという、なかなか荒々しい主人公像。たぶん今やったら叩かれそう。ブロンソンの容貌と相まって独特の存在感を放っている。
相手役のジル・アイランドもいい。冒頭のブロンソンと過ごす休暇のシーンは謎のセレブ感があったし、無駄にセクシーでもあった。
後半になってくると凝った構図のシーンが増える。主人公に対する女の心境の複雑さを表すためだろうか。その他にも登場人物たちのファッションや車、部屋の内装なども見応えがある。多分、服は車に合わせてコーディネートしているような気がする。
高層ビルを登るエレベーター、眼下に広がる街の風景。そこから始まるラスト近くの一連のシーンは構図も含めて印象的だ。そしてそうせざるを得ない主人公の悲痛な心情も、何も語らずとも伝わってくる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 セルジオ・ソリーマ
出演
ジル・アイアランド/テリー・サバラス/ウンベルト・オルシーニ/ミシェル・コンスタンタン
音楽 エンニオ・モリコーネ