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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「八つ墓村」 1977

八つ墓村

★★★☆☆

 

 新聞の尋ね人欄に自分の名前が載っていることを知り問い合わせた主人公は、母が生前に明かさなかった自身のルーツを知らされ、生まれ故郷を訪れることになる。

 

 母親に一切知らされていなかった資産家の父親の実家を訪れ、後を継ぐよう望まれる主人公。場所はローカル路線の辺鄙な駅を降り、そこからさらに車で山道を走り、ようやく到着するような村。そこで意味不明なことを口走る老婆や、無関心を装いながらもよそ者をじっと観察している村人たちを目撃する。閉ざされた社会で独特の因習が醸成されてきた、よそ者には近寄りがたい日本の田舎の雰囲気が良く出ている。

 

 初めて会う親族を前に大人しく言われるがままに行動する主人公。母親が再婚するが死んでしまい、今度は義理の父親が別の女性と再婚し、と主人公の境遇がややこしく、把握するのに若干手間取ってしまった。

 

 親族の中にいる双子の老婆が共に真っ白な白髪で、だけど肌はツヤツヤしていて、違和感が半端ない。これを演じる市原悦子らは当時はまだ40代くらいなのだが、あえてそうしたのだろうか。どこか不安になるようなこの村や一族の不気味さがよく現れている。

 

 一族の者や村の人間が次々と謎の死を遂げ、村にまつわる落ち武者の言い伝えや忌まわしい過去の事件から、村人は不吉な家系の主人公が村にやってきた祟りだと思い込み不穏な空気が漂う。この村人が一致団結してよそ者を徹底的に排除しようとする姿は、村社会の恐ろしさを感じさせる。彼らには敵か味方だけでその中間はなく、敵と判断すれば容赦なく襲いかかる。

 

 忌まわしい過去の事件として、主人公の父親の村人三十二人殺しが出てくる。あまりに有名な、山崎努が着物で刀と猟銃を持ち、頭にはハチマキに懐中電灯を差して、桜並木の中を走ってくるシーンは短いが強烈なインパクト。この事件をメインに描いた映画も観てみたい。きっと面白くなるはずだ。

 

 警察は村人からの襲撃の危険を回避するために、主人公に邸宅の離れから行ける洞窟内に隠れているようにアドバイスをする。しかし既にそこで二人も殺されていて、犯人もまだ潜んでいるかもしれない洞窟内でじっとしてろというのはちょっと解せなかった。ちなみに渥美清演じる探偵の金田一耕助はほぼ活躍せず、事件の解説者という役割になっている。

 

 意外とあっさりとした事件解決ではあったが、当事者たちの気付いていない所で、構図としては落ち武者たちの復讐が長い年月を経て成就した形になっているかもしれない、と匂わせる演出は悪くなかった。このあたりを理路整然と辻褄が合うように説明されていたら、そんなわけないと興ざめしていたかもしれない。

 

監督/製作 野村芳太郎

 

脚本 橋本忍

 

原作 八つ墓村 (角川文庫)

 

出演

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萩原健一/小川眞由美/山崎努山本陽子市原悦子中野良子/井川比佐志/下條正巳藤岡琢也/浜村純/大滝秀治下條アトム綿引洪夏八木勲田中邦衛/橋本功/風間杜夫島田陽子丹古母鬼馬二

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音楽 芥川也寸志 

 

八つ墓村

八つ墓村

 

八つ墓村 (1977年の映画) - Wikipedia

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