★★★☆☆
あらすじ
元恋人から結婚して子供が生まれたことを知らせるメールを受け取った女は、元恋人に会うために故郷に戻る。
感想
退屈な故郷を出て、都会で作家として暮らす女。だけど何をやってもどこかに空虚さを感じている。そしてなぜか届いたかつての恋人からのメールが気になってしまう。彼とよりを戻せば、二人で過ごしていた時代の最高の自分を取り戻せるのではないかと思い立ち、一路故郷に向かう。
しかし、シャーリーズ・セロンがハロー・キティのTシャツを着ていても、ギャップで全然イケてると思ってしまうのだが、彼女が演じる主人公の子供っぽさを表現しているのかもしれない。30代後半の日本人女性が同じ格好をしていたら残念な気持ちになってしまうが、アメリカでも同じということか。
彼女と対比させるようにアメコミのフィギュアを組み立てるオタクの男も登場するが、それも子供っぽさの象徴になってしまうのか。別に趣味なら良いと思うのだが、アメリカは日本ほど子供っぽさに寛容ではないのかもしれない。
元恋人は結婚し子供も生まれて幸せそうで、可能性なんてまったくないのにそれでもよりを戻せると思い込んでいる主人公はなかなか痛々しい。そういうある種の無邪気さや見通しの甘さも、大人になりきれていないということなのだろう。幸せはかつての淡い思い出の中ではなく、それらを振り払って前に進んでいく中で見つかるものだ。
コミカルで笑えるシーンも多く、ラストも心がすっと晴れるような爽やかさがあった。ただ結果的に元恋人の、まったくその気がないのに思わせぶりな態度を取り続けた余計な親切心というか、大人の対応にも問題があったような気もする。だからどっちもどっちだろという気持ちもないわけではなく、どこかスッキリしない所もあった。
スタッフ/キャスト
監督/製作 ジェイソン・ライトマン
脚本/製作 ディアブロ・コーディ
製作総指揮 ヘレン・エスタブルック/ネイサン・カヘイン/ジョン・マルコヴィッチス/ティーヴ・M・レイルズ
出演 シャーリーズ・セロン/パットン・オズワルト/パトリック・ウィルソン/エリザベス・リーサー/コレット・ウォルフ/メアリー・ベス・ハート/(声)J・K・シモンズ