★★★★☆
あらすじ
人類誕生のカギを握るとみられる惑星の存在が浮上し、考古学者の女性はプロジェクトチームの一員として調査に向かう。
「エイリアン」シリーズ第5作目。
感想
シリーズ第5作目だが、第1作に至るまでが描かれる前日譚となっている。序盤には宇宙船の乗組員たちが冷凍睡眠から目覚める、シリーズ第1作目を彷彿とさせるようなシーンがあって、ニヤリとさせられる。
目的の惑星に到着した主人公らは、さっそく探索を始める。このあたりはSFⅩが使われ始めた頃の映画ではよくあったような、未知の世界に乗り込んでいくドキドキ感があった。だが生命体がいた痕跡を発見しても皆比較的冷静だし、これまでのようにさっそくエイリアンが暴れ回るわけでもなく、前半はかなり静かで地味な展開となっている。
その間に描かれるのは、チームの一員であるロボットの不審な動きだ。その裏には、このプロジェクトに金を出している大企業のトップである老人の意向があった。人類の創造主を見つけ出して、不老不死にしてもらおうと企てていたことが判明するのだが、正直なところ、なぜそんなことをやってくれると当然のよう思い込んでいるのかがよく分からなかった。
それまでに、なんのために人類は作られたのかとか、キリスト教で言われていたこととは違う事実が明らかになっても、それでもまだキリスト教徒でいるのかとか、宗教的な問いかけをするシーンが多くあったので、この老人の考えも宗教的なものから来ているのかもしれない。
主人公がしていた十字架のネックレスも、さも意味ありげに扱われていて、宗教や創造主をテーマにしている気配があるが、あまりうまくいっていないように思える。こちらの宗教に対する理解が浅いせいでそう感じるのかもしれないが。
あまり動きがなかった前半が終わり、後半も半ばを迎えた頃になってようやく映画は慌ただしくなっていく。そしてここからが面白かった。それまで大して目立たなかったノオミ・ラパス演じる主人公が、満身創痍の身で大活躍を始める。シガニー・ウィーバーが演じていたシリーズのこれまでの主人公、リプリーを思い起こさせるようなタフネスぶりで、俄然魅力的になる。
そして「スペース・ジョッキー」が現れて、シリーズ第一作目に出てたやつだ!と興奮し、ラストシーンでようやく登場したエイリアンにさらにもう一段テンションが上がった。
映画の主題の他にも、シャーリーズ・セロンにたいした見せ場がなかったとか、ガイ・ピアースがわざわざ特殊メイクで老人を演じた意味が分からないとか、色々と気になる点はある。しかし終盤の畳みかけるような展開に、見終わった後の満足感はかなり高かった。地味な前半も決して面白くなかったわけではない。
ただし、これまでのシリーズのようなエイリアンとの戦いを期待していたらきっと肩透かしを食らうだろうし、内容を忘れてしまっていたらあまりピンと来ないかもしれない。だから一作目だけで充分なので見直して、これはエイリアンとの戦いではなく、ここに至るまでの経緯を描く前日譚なのだとしっかり自分に言い聞かせ、それから見始めた方が良いだろう。
スタッフ/キャスト
監督/製作
製作 トニー・スコット/デヴィッド・ガイラー/ウォルター・ヒル
出演 ノオミ・ラパス/マイケル・ファスベンダー/ガイ・ピアース/イドリス・エルバ/ローガン・マーシャル=グリーン/シャーリーズ・セロン/ショーン・ハリス/レイフ・スポール/ベネディクト・ウォン/パトリック・ウィルソン
撮影 ダリウス・ウォルスキー
登場する作品
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