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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ウエスタン」 1968

ウエスタン (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 結婚するために西部にやって来た女は、結婚相手の一家が襲撃に遭い、皆殺しにされたことを知る。

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 セルジオ・レオーネ監督、ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソンら出演。英題は「Once Upon a Time in the West」。166分。

 

感想

 普通に撮ればきっと90分ぐらいで終わりそうな、165分の映画だ。では残りの75分で描かれているのは何か?と問われれば、それは「美学」だろう。

 

 冒頭からすごい。きしむ風車、たかるハエ、天井から滴る水滴と、静寂の中にただそれらの音だけが響いている。どこか焦れったいような、じっとりとした時間が流れていく。

 

 

 開始から次々と色んな人物が登場し、顔と名前が覚えられるか不安になっていたのだが、まったくの杞憂だった。なぜならその殆んどが死んでしまうから。そのようなキャラクターたちまで丹念に描いている。

 

 そんな風にたっぷりと時間を使いながらも、西部劇の華とも言える銃撃戦は殆ど無く、しかも一瞬で終わる。確かにこの雰囲気の中で、勝負の前に突然互いに能書きを語りだしたり、勝負が決した後にお涙頂戴のシーンがあったら、興ざめするかもしれない。一瞬で勝負が決することで、彼らが明日をも知れない非情な世界で生きていることが、ひしひしと伝わってくる。

 

 神出鬼没の謎のハーモニカ男、チャールズ・ブロンソンの素性が、セリフではなく映像で明かされ、そして、彼の目的は果たされる。何も語らず彼は去り、その土地でたくましく女は生きていくというラストにも、監督の「美学」が感じられる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案

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脚本 セルジオ・ドナティ/ミッキー・ノックス*

*英語版台詞

 

原案 ダリオ・アルジェント/ベルナルド・ベルトルッチ

 

出演 

bookcites.hatenadiary.comクラウディア・カルディナーレ/ヘンリー・フォンダ/ジェイソン・ロバーズ/ガブリエル・フェルゼッティ/ウディ・ストロード/ジャック・イーラム/アル・ミューロック/キーナン・ウィン/ライオネル・スタンダー

 

音楽 エンニオ・モリコーネ

 

ウエスタン (字幕版)

ウエスタン (字幕版)

  • チャールズ・ブロンソン
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ウエスタン (映画) - Wikipedia

 

 

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