★★★☆☆
あらすじ
秀吉に切腹を命じられた千利休、その生涯を振り返る。123分。
感想
天下一の茶人として知られる千利休。ひたすら美を追求するその姿は、実写で見ると少し変態っぽい。色々と楽しいことは他にあるはずなのに、ただ一つのことに集中できるなんて、普通の人ではないということなのだろう。身近にいたら面倒くさそうだが、周りの人間は自分たちとは違う聖人のような存在と認識していたということかもしれない。
利休の過去を振り返りながら話は進む。だが、秀吉との確執や夫婦、親子の関係、他の登場人物たち、そして利休自身の茶人としての姿など、どれをとっても中途半端にしか描かれていない印象だ。
そして映画後半は、利休の原点ともいえる出来事が描かれるのだが、唐突感が否めない。それまでに前振りをしていなかったわけではないのだが、その前振りが弱すぎて結局、なんで突然?と思ってしまう。冒頭に象徴的にワンシーンを挿入しておいた方が良かったのかもしれない。
全部が中途半端で、そのくせ当の利休は常人離れしていて何を考えているかよくわからないので、若干イラッとする。
スタッフ/キャスト
監督 田中光敏
原作
出演 市川海老蔵/中谷美紀/大森南朋/市川團十郎/伊勢谷友介/成海璃子/福士誠治/袴田吉彦/黒谷友香/檀れい/大谷直子/伊武雅刀/中村嘉葎雄/大谷直子/六平直政
音楽 岩代太郎