★★★☆☆
あらすじ
旅の途中で友人に出会った士官学校教授は、その夜呼んだ芸者から不思議な話を聞く。キネマ旬報ベスト・ワン作品。
感想
映画の中心となる人物を演じる原田芳雄と藤田敏八、二人の異なる存在感がまず印象に残る。原田芳雄は何をしでかすか分からないような無頼漢で、藤田敏八には何事にも動じなさそうなどっしりとした落ち着きを感じる。特に藤田敏八はよく見ればかなり面白い顔をしているのだが、何故かコミカルさは感じさせず、不思議な雰囲気を漂わせている。
抽象的な表現が積み重ねられたような奇妙な物語となっていて、はっきりとしたストーリが見えるというよりは、様々なイメージが連想されていくような幻想的な内容となっている。それらから想起するのは、死であったり、性的なものであったり、情念のようなものであったりする。大きく言えば人間の根源的な生命というものであろう。中でも時々差し込まれる様々な食事のシーンが印象的だった。
全体的な物語としてはよく分からなかったというのが正直な感想だが、記憶には残りそうな映画ではある。
スタッフ/キャスト
監督 鈴木清順
出演
大谷直子/大楠道代/藤田敏八/麿赤兒/樹木希林/佐々木すみ江
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