BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「Virginia/ヴァージニア」 2012

Virginia/ヴァージニア (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 自著のセールスのために寂れた街にやってきたオカルト作家。そこで保安官にネタを提供され、共作を持ち掛けられたことから、新作に取り組み始める。

 

感想

 トム・ウェイツの語りで進行する物語。売れない作家である主人公がその街にやって来る冒頭は、少しクラシカルで少しコミカルさも漂う雰囲気で始まる。そしてその夜、奇妙な夢を見ることから映画は幻想的な世界に包まれていく。

 

 夢の中で主人公はかつてこの地で起きた殺人事件の一端を垣間見て、またかつてこの地を訪れたことのある作家エドガー・アラン・ポーと出会う。ほとんどモノクロの夢の世界の中で、鮮やかな赤や炎の光の色だけが鮮やかで美しい映像となっている。

 

 

 金欠でもあり、保安官にネタを提供されたこともあり、夢の中でエドガー・アラン・ポーの助言を得られることもあり、新作を書くことにした主人公。かつての大量殺戮事件や最近起きた殺人事件を題材にするために調査を行う。

 

 ただ、この事件を調査し解決していくミステリーというよりは、ただ夢の世界に行って事件のあらましを見るというだけの話になってしまっている。さらには新作についてはエドガー・アラン・ポーに頼るだけ。つまりとにかく夢の世界に行くために眠ることが大事で、この辺りは若干皮肉っぽくは描かれている。

 

 そして、それと同時に自身の心にずっと引っかかっている娘の事故死の問題も絡んで物語は進行する。夢の中の話がメインでもあり、またこれ自体が彼の新作の内容という事もあり、物語は非常に抽象的。様々な比喩や暗示が込められていて、全く分からないというわけではないが、完全には理解できたとはならないもどかしさがある。内容を何度も反芻して、それぞれのシーンの意味を考えてみたくなる映画となっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 フランシス・フォード・コッポラ

 

出演 ヴァル・キルマー/エル・ファニング/ジョアンヌ・ウォーリー/ブルース・ダーン/ベン・チャップリン/デヴィッド・ペイマー/オールデン・エアエンライク/ドン・ノヴェロ/トム・ウェイツ(声)

 

Virginia/ヴァージニア (字幕版)
 

Virginia/ヴァージニア - Wikipedia

Virginia/ヴァージニア | 映画 | 無料動画GYAO!

 

 

登場する人物

エドガー・アラン・ポー

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com